長らくおまたせしました。基礎編第5回をお届けします。
今回で基礎編は終了いたします。そのため今回はこれまでコメント欄などで頂いたご質問をご紹介し、理由などとともに再度ご説明していきたいと思います。
全部はご紹介できないかとは思いますが、再度振り返ってもう一度抽出の基本をおさらいしていただければ幸いです。
ただし、今回はちょっと長めです。カッパ記事での反動ですね。お覚悟を・・・。
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「基礎編の5回目だな。やっと終わりか。」
「マスター、終わりじゃないですよぉ。この後応用編・番外編と予定されてますよ。」
「誰がそんな予定を・・・?」
「マスターが講習会の計画書をちっとも出さないから、オーナーからFAXで届いてます。」
「ああ・・・俺が壊れていく・・・。お気楽能天気な日々はどこへ・・・?」
「マスター、しっかりしてください。」
「ワタシハコワレタノデキョウハカエリマス。じゃっ。」
「ちょっと待てぃ。遊んでないでチャッチャと始める!!」
「怖ッ・・・。しょうがねえなぁ、始めるか。今回は復習として、コメント欄で頂いた質問を元に、解りにくかった所をすっきりさせようと言う趣旨でよかったな?」
「はい、質問があったってことは説明が足らなかったってことだって言ってたじゃないですか。」
「ああそうだな、じゃあお前、さっさと始めろ。」
「そ、そ、そんな。何でそう楽しようとするんですか?」
「ば〜か。お前の理解度も確認するんだよ。だからおまえの好きにしていいぞ。見ていてやるし、間違いの訂正はしてやる。」
「あ〜あ、そうですか。わかりました。やればいいんですね。オーナーに言いつけてやる・・・。」
「なんか言ったか?陰口は聞こえないように言うから陰口というんだぞ。」
「ふぇっ、何にも言ってません。じゃあ基礎編第5回を始めます。」
「よし、がんばってみろ!!骨は拾ってやるからな〜!」
「も〜お気楽なんだから。最初は『計量』に関してのご質問から始めましょう。大阪の麒麟さんより『計量スプンを変えたら急に美味しくなりました。こんなに差があるものなのですか?』といただきました。計量スプンは一定量を量るためのもので、量れる量は自分で確認しようというのが回答でしたよね、解説のマスターさん?」
「そうですね、焙煎度合いによっても・・・って野球放送の解説者か、俺は?勝手に深夜ラジオのDJ風に始めやがって、解説を俺にふったら意味がないだろう。」
「ノリツッコミありがとうございます。でも、マスターは好きにやっていいって言いましたよ。」
「あ、ああ。解説者として俺を引っ張り出すのは反則だ。足らないところの補足はしてやるから。」
「わかりました、先程の件はあれでよかったんですよね。」
「そうだな、自分が使っている器具の特性は自分が一番よく知っているはずだ。それを数量的に把握すればもっと楽になるぞ。」
「では次の質問です。静岡のアキラさん、東京のぺこぽこさん、またずっと以前から皆さんに頂きました『豆の寿命と保存法』についてですね。コメント欄では、寿命は『焙煎後豆なら2〜3週間、粉に挽いたら1日。保存には密封した上で冷凍が都合が良い』と説明がありました。豆と湿気・酸素との接触を断つためですが、気になったのは『焙煎後2日〜3週間』と賞味期限を説明していた点です。焙煎直後は何故駄目なんでしょう?私は焙煎した豆が冷えるのに1〜2日かかるんだろうと思っていましたが・・・。」
「バカもんが!疑問はその場で解決しとけ!焙煎という工程は熱により豆の内部に化学反応をさせるものだ。始まった化学反応は反応速度が速いものは焙煎中に終了するが、反応の遅いものは焙煎終了後も変化し続ける。それが落ち着くのが1〜2日後ということだ。焙煎が焦げ味をつけるだけと思っていたら大間違いだ。」
「ふぇっ、また怒られてしまいました。といってもいつものことですから気を取り直して次の質問に行きましょう。」
「おい、そんなんでいいのか?」
「どうせドジキャラですからいいんです。次は『抽出』からですね。静岡のアキラさんに頂いた『ドームがうまく形成できません』という質問からいきましょう。珈琲の抽出には4つの条件が揃わなければなりません。1.豆の鮮度 2.お湯の温度 3.お湯の量 4.粒の大きさ これらの条件が欠け落ちるとドーム形成がうまく行きません。実際、アイスコーヒーを淹れる為にフレンチローストの豆を細かく挽いたところ、私の技量ではドームのようには膨らみませんでした。」
「膨らまないのは技量のせいではないことを付け加えておく。一定水準より粉が細かくなると一粒辺りの表面積に滞留できるガスの量が減り、空気中に放出されてしまう分が増えるため、ドームのような形にならないだけだ。粉全体にお湯が回り蒸らすことができれば抽出に影響はない。大丈夫だ。」
「あっ、そうなんですか?腕が足らないと信じてました。ありがとうございます。」
「多少は膨らんでいたはずだ。それ以上は望めないんだよ。ドーム形成は見た目の問題だから、丁寧な蒸らしが行われれば粉の細かさによる違いは気にする必要はないよ。」
「わかりました。次に淹れるときはよく観察してみます。それから、東京のぺこぽこさんからも同様の質問を頂いていましたが、これは抽出器具の違いが影響していたようですね。ここの講習では『メリタ・カリタ系』のペーパーフィルターでの抽出を中心に演習を続けていますので『円錐ドリッパー』を使用する場合は若干違いがでると思います。では次の質問。『お湯の滴下はどのくらいの高さから?』と東京のひそそかさんから頂いていますね。マスターは『お湯を滴下した時、跳ね返って粉が暴れない高さ』とおっしゃっていましたが、これは1〜2投目のお話ですね。3投目以降は対流による攪拌も必要になるためケトルの湯口の位置を上げたほうがいいですね。ドリッパー内の水面全体にお湯を回すためにも少し高くしたほうがケトルのとり回しがしやすくなります。」
「ん?この後半の説明は第4回ではしてなかったな。説明自体は正しいが、どこで覚えてきたんだ?」
「えへへ、何度も練習しているうちにケトル位置を高くしたほうが後半は注ぎやすいことに気が付いたんです。注ぐ量のコントロールと、落下位置のコントロールに何度も失敗しちゃいましたよ。でも、そのおかげでフィルターに直接お湯があたるとどうなるかもわかりました。」
「行って学べか、失敗も糧になるからな。間違っていればチェックするから気にせず練習していいぞ。」
「うわっ、なんだか久しぶりに褒められたような気がする。褒められたんですよね、ね?」
「そんな細かいことを気にせず、次にいけ。」
「はぁ〜い。それでは最後の質問・・・というかマスターの説明に納得されたご意見といった方が正確ですね。『絞り』に関してです。このときのマスターの説明には皆さん実際に淹れる際に実践してみてその違いに納得されたようでした。お湯がドリッパーの中に残っているままでサーバーの上から外す、ただそれだけのことで珈琲の味が劇的に変わる。このことを実感された方は多かったと思います。雑味の無いすっきりした口当たりには、私も自分で淹れたとは思えず驚いてしまいました。」
「俺としては普通にいらんもんは捨てる、必要なものだけを残すっていう単純なことを続けてきただけだがな。」
「そうですね。仕入れた豆をチェックして不良な豆をこまめに取り除いたり、挽いたときにでる微粉の量をチェックしたり、徹底して不要なものを除いていく姿勢は頭が下がります。ついでに体に必要ない『脂肪』とか『ニコチン』なんかも取り除いてみては・・・」
「その前にお前を取り除くのが先になりそうだな。こないだの女優さん、物腰が柔らかくってこの店のイメージにぴったりだったぞ。」
「ま、待って。いやぁ〜っ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・。」
「あ〜あ、折角最近よく頑張っているってオーナーに報告しようと思ってたんだがな。残念だな・・・。」
「いえ、これからも頑張りますから、クビはいや〜〜〜っ!!」


