2008年05月23日

◆番外編 4.ネル布 抽出篇

お待たせしました、珈琲抽出研修会です。
前回より引き続きネル・ドリップを見ていきます。

今回は抽出を行います。しかし、マスターはネル・ドリップの経験はほとんどなく、この講習のために試行錯誤を繰り返してきたようです。前回の台詞では1度だけなどと言ってはいますが、別のネル布でかなりの回数を練習したようです。その成果はいかがなものでしょう。
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「充分休憩したな。始めるぞ。」
「はい、お湯も沸きました。豆はどれを使いましょう。」
「いつものレギュラーブレンドでいいぞ。但しいつもより粗めに挽いておくように。」
「えっ?どうして粗めに挽くんですか?」
「抽出の際、お湯との接触時間が長くなりがちなんだ。いやなというか不味くなる成分の浸出を遅らせるためには少々粗めに挽いたほうが都合がいい。」
「なるほど、ペーパードリップでも実験しましたね。」
「これまでの知識を逐次導入すれば、見知らぬ器具でも調整できるって事だ。わかったな。」
「はい、今回はペーパーと同じ透過式ですもんね。手順はあまり変わらないわけですね。」
「一応はわかっているようだな。では、抽出をしてみよう。まずは豆の量だ。あれこれ資料を紐解いてみたがこれが正解という量は出てこない。」
「ええっ?ではどうしましょう。」
「共通して書かれていたのは、『必要分量+1杯分の粉』だ。そこで考えたんだが、いつものように淹れるためには2杯抽出したいなら3杯分の豆の量でやってみようってことだ。」
「なるほど〜、マスターらしい発想ですね。余計なことを考えず、いつもどおりにってところですか。」
「感心してないでさっさと量れ。本来の手順は順序を入れ替えたほうが作業の手間が省けるんだが、1工程に説明しなきゃならんことが多いので説明が長くなるものを先にしておくぞ。次はお湯だ。」
「量った粉はどうしましょう。」
「いったんペーパーフィルターにおいておけ。沸かしたお湯をサーバーに移して、抽出用のポットにそのまま入れる。」
「ほえ?せっかく沸かしたお湯の温度が下がっちゃいますよ。」
「これには諸説あるんだが・・・。参考にしたものにはどれも抽出温度は75〜85度となっているんでそれに合わせてみるんだ。次はネル布。きれいな布巾で包み込んで絞る。粉に布の中の余計な水分を与えないためだそうだ。」
「へぇ、いちいち面倒・・・。」
「絞ったところに粉を移し、サーバーの上に持っていったら1投目の注湯開始。」
「粉全体にお湯を行き渡らせればいいんですね。下から垂れても問題なし?」
「ああ、その辺はペーパーの感覚で構わんぞ。蒸らしは少し長めに取る方がいいようだ。萎み始めても少し待て。」
「はい、では2投目いれます。マスター、湯温が心配なので火にかけます。」
「そうだな。それと2投目以降、お湯は多少勢いを増してやらなければ底まで届かないからな。ドリッパーのように硬い壁があるわけじゃないんで対流が生じづらいんだろうな。」
「わかりました、気持ち多めに湯を差していきます。2杯分抽出したら袋をシンクに移していいですね。」
「シンクに空き缶を置いておいたからその中に入れておけばいいぞ。」
「できました。でも、これでは平行抽出は無理ですね。できればお茶の漉し網のようにサーバーの上に置けると楽なんですけど。」
「そういう意味では忙しくあれこれ細かく淹れなきゃならんうちの店には不向きだな。」
「このわっかをホールドできる器具があれば並べて淹れられるかもしれませんね。」
「それだけのネル布の管理もしなきゃならんわけだ。お前やってみる気あるか?」
「ぶるぶる・・・遠慮しておきます。カップに注ぎ分けました。味見していいですか?」
「ああ、飲んでみろ。」
「注ぎ分けた時点で既に飲める温度になってますね。私は熱めのが好きですから、いきなりこれが出てきたら、冷めたものを出されたのかと勘違いしそうですね。」
「低い温度で抽出すると苦みが減り、香りが増えるはずだ。味はどうだ?」
「そうですね、確かに苦味は少ないですね。香りのたち方はあまり変わらないと思います。でも、最初に口に含んだときの珈琲の力強さは随分違いますね。ストレートで言うと豆のランクが随分違うように感じます。」
「手間を掛けるだけの味になることは良くわかったな。紙とは違い透過する成分が多いのだろうと思う。それでこれほど骨太の味になるんだろう。しかし、たまに飲みたいからといってネル布を常に管理する訳にもいかない所がみそだな。その布はおまえにやる。好きにしろ。」
「あっ、ずるい。私に管理させようってつもりね。私だって嫌よ。」
「あいつを追い返したのは失敗だったかな・・・。業務命令で管理を任せればよかった・・・。」
「それはそれでまずいんじゃ・・・。そんなに自分でやりたくないんですか?ペーパー・ドリップを選んで正解でしたね、マスター。」

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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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