2008年07月17日

◆応用編 8.アレンジコーヒー ICE篇

毎日暑い日が続きますね。お待たせしました、応用編 8.アレンジコーヒー ICE篇をお届けします。

アイスのアレンジには、氷が入っているものないもの、グラス・ゴブレットなど、さまざまな提供方法が用意されています。これは提供時の見た目に関わるものなので、一部を除いて特にこだわる必要はないと思います。
今回マスターは、提供方法の違いで冷やし方が違う器具にこだわって講習を進めるようです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「おはようございます。今日も暑いですね。」
「おう、おはよう。アイスコーヒーを淹れておいたぞ、飲むか?」
「ありがとうございます、頂きます。・・・あれっ?いつもと違う。コーヒーの味が濃い・・・じゃないなぁ厚みがあるとでも言ったらいいのかしら?」
「面白い表現を使うなぁ。これは特殊な冷やし方をしておいたものだ。手間がかかるから一般には出せないからな。」
「手間って、どうしたらこんなアイスコーヒーが作れるんですか?」
「氷で冷やさなかっただけだ。いつもよりほんの少し軽めに淹れたアイスコーヒーを冷却材で冷やしてみたんだ。加水されない分濃さが残っているだろう?」
「なるほど、たまに冷凍庫に入っているあれですか。氷が溶ける分冷えるけど薄まっちゃいますもんね。」
「今日はアイスアレンジコーヒーを紹介していこう。器具も色々使うからな。」
「私の勤務の時に出してないものは作り方さえおぼつかないのがあります。読者の方と一緒に勉強させていただきます。」
「お前、学生時代よりずっと勉強家になってないか?そのうち知恵熱が出るぞ。」
「馬鹿言ってないで始めましょう。」
「わかったわかった。アイスアレンジで重要なことは、香りが出にくいことと甘味が伝わりにくいことだ。」
「確かにそうですね。普通のアイスコーヒーでも、通常のレシピでお客様に出した時、『ガム抜きか?』と追加でガムシロップを求められる方がみえますよね。アルコール香もなかなか香らなくって練習ではついいれすぎてしまいました。」
「暖かければ広がって鼻腔を刺激する香りなんだが、冷たいと口の中から香る感じになる。それが味なんだが、理解していただけない方もたまに居るな。」
「そういえばマスター、今回は冷やし方から器具を紹介するっておっしゃっていましたよね。グラスやゴブレットに満たした氷の上から一気に注いで冷やすだけじゃ駄目なんですか?」
「そう言うだろうと思っていた。答えは『問題ない』だな。特別なアイスアレンジを除いてはそれでも構わないんだ。味的にはなにも問題ない。」
「じゃあ何故?」
「見た目だ。以前に写真を載せた『メキシコ風ホットカフェ』をアイスで作ることを想像してみろ。基本の冷やし方だけでは対応できない。」
「なるほど、確かにそうですね。アイス・オ・レでもグラデーションをつけようとしたら一気にグラスには入れられませんものね。」
「そんな時に使うのがシェイカーだ。この中に氷をつめて使う。冷えたところで蓋についているストレーナーを使って氷を除けば、氷に邪魔されることなく静かに注ぎ入れる事ができる。」
「本来の使用目的である混ぜるためではなく分けるために利用するんですね。」
「これは氷を残したくないアイスウインナーの時に使うんだ。これはカクテルを作る本来の使い方だぞ。カクテルには氷は入っていないだろ?」
「ああ、そうか。そういえばカクテルグラスに氷が浮いていたら変ですよね。」
「また、混ぜるのが主体となるのがレギュラーアイスとチョコシロなどのはいったアイスアレンジが一緒にオーダーされた時だな。」
「別々に淹れないで一緒に落としておいて使う分量だけシェイカーに入れてチョコシロと混ぜるんだぁ。忙しい時ならではのテクニックですね。」
「でも、かっこよく見せようと思ってシェイカーを振るんじゃないぞ、絶対にな。」
「えっ?駄目なんですか?」
「泡立っちまうだろうが!アルコール主体のカクテルと違い不純物で構成されているようなコーヒーは泡立つとなかなか消えない。涼しげな見た目が台無しになるんだ。」
「私はマスターがシェイカーを振れないんだとばっかり思っていました。ちゃんと理由があるんですね・・・。」
「なんだその疑いの目は。何年この仕事をしてきていると思っているんだ。先進めるぞ。」
「何かあわててないですか?」
「いいや。では質問だ。5杯分のアイスコーヒー原液を一遍に冷やすにはどうしたらいい?」
「えっ?シェイカーの大っきいのを使う・・・じゃないですよね。シェイカーは混ぜるために使っているだけだから・・・!わかった!サーバーに氷を入れてやればいいんだ。」
「ほい、正解だ。だが本来の使い方からするとこいつを使うのでも構わないぞ。」
「いつも水を入れてバースプンが挿してある容器?」
「ああ、ミキシンググラスという。カクテルでは色鮮やかに作らなければならないときはステアというがこちらで混ぜ、ストレーナーで固形物を取り除きながらグラスに注ぐ。シェイカーだとどうしても濁りが出るからな。」
「ストレーナー?どれですか?」
「ねえよ。俺はバースプンで氷を押さえて注げるからここでは必要ないんだ。」
「そうやって子供みたいに自慢するんですね。」
「次だ、おいていくぞ。」
「待ってください。たまにグラスに一杯にクラッシュアイスを詰めたアイスコーヒーを作ることがありますよね。いつも知らないうちにできてるんで気にしてなかったんですが、ここにはアイスクラッシャーが見当たらないんですけど。」
「ああ、必要ないから置いてない。」
「???」
「クラッシュアイスは俺のサービスであって、本来のレシピにはそれを使う商品はない。だから必要がないので器具として置いてないわけだ。」
「じゃあ・・・?」
「どうやって・・・か?俺はキューブアイスをバースプンの背で割っているが、教えて欲しいのか?」
「はいはい、マスターが何でもできることはわかりました。それより例外に当たるアレンジアイスコーヒーってなんでしたっけ?」
「アイスコーヒー・スムージーに代表されるブレンダーを使うコーヒーだな。」
「ブレンダー?混ぜ合わせ器?なんです、それは?」
「普通に言えばミキサーだ。」
「なあんだ、ミックスジュースを作るみたいにアイスコーヒーと氷をいれて混ぜるんですね。じゃあ、クラッシュアイスも作れそうですね。」
「中の回転刃やモーターがへたらないようにしてくれよ。氷を入れるだけでかなり負荷がかかっているんだからな。これが故障するとガムシロも作れなくなっちまうからな。それにこいつでクラッシュアイスなんぞを作ったらうるさいし無駄が多いぞ。」
「くどくど言わなくってもわかりました。余計なことはするなって事ですね。」
「そこまでは言ってないが・・・。自分の勉強のために試す分には構わんぞ。疑問は解消するに限る。くれぐれも自分ちのミキサーではやるな。業務用のものとでは性能が違いすぎる。」
「ご忠告ありがとうございます。気をつけて試してみます。」
「ちょっと長くなったな、今回はこのぐらいにしておこう。」
「私としてはまだまだ聞き足りない感じがするんですが・・・?」
「後は応用で何とかなる。色々試してみることだ。」
「そうそう、『メキシコ風ホットカフェ』みたいなグラデーションってどうすればいいんですか?」
「ああ、それか。比重の重いものから順に静かに注いでいけば層がきちんとできる。グラデーションをきれいに出したかったら間の分も別に作っておくんだ。わかったか?」
「比重の違いなんてわからないですよ〜!」
「試してみればいいじゃないか、混ぜ物の多いもの・・・そうだな、チョコシロなんかが当てはあるが、これらの比重は重くなる。反対にスピリッツ(蒸留酒)は不純物がなくアルコールが大半なので軽くなるのが通常だ。後は経験と勘が頼りだな。グラデーションが映えるものって多くないから作って覚えちまえばいいぞ。」
「なるほど、魅せる必要のないところで頑張らなくっても大丈夫って事ですね。」
「そう単純に言い切ってしまうのにも抵抗はあるがな。」

続きを読む


posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。