2008年08月23日

◇四年ごとの夏、堪能できましたか?

夏休みも3/4が過ぎ去り、朝夕の暑さも緩んできたようだ。
庭先に立ち上がっていた向日葵の大きな顔も俯いてしまっている。そろそろ植物たちは秋を感じ始めているのだろうか?

まだ強い日差しを手で遮りながら常連の高校生がやってきた。額からは汗が吹き出している。まだまだ人間には夏は続いているようだ。

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「マスター!!お久しぶり!」
「いらっしゃい!1か月ぶりか?いったいどうしてたんだ?」
「涼しいところでバイトしてた、住み込みで。帰ってきたのはいいんだけど暑さに負けて外に出るのが億劫になっちゃって・・・。」
「ああ、例の山小屋か?随分と早く帰ってきたんだな。去年あたりは学校が始まる直前まで行ってただろう?心配したお袋さんがうちにまで聞きに来た覚えがある。」
「そうだったよね、長期で逗留していた人が面白かったんでついつい居続けちゃったんだっけ。今年はさ、とりあえず受験勉強をするフリもしないといけないし。テレビじゃオリンピックをガンガンやってるしね。マスターは見てるの?」
「いや、ほとんど見ない。話題用にニュース番組で世間の注目を集めているものを流し見している程度だな。」
「興味がないんだ?」
「そうじゃない、うるさいんだよ。民放の中継が特に。CMは入るし、解説も満足にできないようなやつが大声張り上げて叫ぶし・・・。日本選手がいくつメダルを取ろうが俺にはどうでもいいんだ。なかには純粋にスポーツの美を見たいと思っている視聴者だっているんだ。」
「でも、アレがないと盛り上がらないじゃないですか?」
「いいんだよ、そんな物なくったって。あんな舞台に立つには選手それぞれに精一杯の努力を重ねてきているはずなんだ。そこまでに培った技術をきちんと見せていれば競技の素晴らしさは伝わるし、その難しさだって伝わってくるんだ。スポーツをショービジネスにするのはアメリカのプロスポーツだけで充分だ。あれだって解説なんかはおとなしいもんだぜ。ひいきチームの応援なんかよりも競技にまつわる数字や記録の紹介の方が多い。放送している側が熱狂しちまったら見ている側は逆に冷めちまうだろうが。淡々と公平に、映像の邪魔をしないように伝えることの方がよっぽど難しいんはずなんだがな。」
「僕等は今のわあわあ言ってるスポーツ中継になれちゃってるからなぁ。そんな中継があっても馴染めないかもしれないよ。」
「今の報道はアナウンサーや素人の解説者の感動が伝わってくるだけで、競技を見た視聴者が純粋に感動するのを邪魔しているように感じてるんだがな。」
「そうか、実況のアナウンスや、解説者の動向に左右されている自分がいるのはわかりますね。他国の選手同士が競い合っているときの盛り上がり方とはテンションが違う。そんな時は解説者も適当に流してしまっていたりしてるからなんだ。」
「2〜3日前にNHKでアーチェリーの準々決勝をたまたま見ることになったんだが、なかなかおもしろかったぞ。盛り上がりも何もない淡々とした中継で、アジアの30代の選手とヨーロッパのハイティーンの選手のアップがほとんどの映像の間に放った矢が的に当たる画が挟まるだけ。」
「うわ〜、胃がキリキリッとしてきそうな中継ですね。」
「そうなんだ、会場も水を打ったようにし〜んと静まり返って、ライブの音は弦を離したときの音と矢が的に当たった音、そしてその瞬間だけ歓声が漏れる。解説者も二人の紹介と得点の推移を伝えるだけ。」
「選手の緊迫感が画面を通して漂ってきそうな感じですね。集中しているから声すら出さないんですね。」
「交互に撃っているから相手の結果がわかる。それによって動揺しているのが次の矢で表現されてしまう。そんなこの競技の難しさが伝わって来たんだ。」
「競技に集中して観戦できたんですね。なるほど、演出過剰のバラエティ番組の延長のようなスポーツ中継ばかり見ていちゃ、そんな風に選手の呼吸みたいな細かい所までは見れないでしょうね。」
「以前は提灯番組の野球中継ぐらいしかそんな演出過剰なスポーツ中継はなかったんだが、実況のアナウンサーが芸能人ぶりだしてからかな、あんなになっちまったのは。」
「マイナースポーツならそんな静かな中継が見られるかな?探して見てみようかな。」
「ああ、たまにはいい物だと思うぞ。それはそうと、今日は何にするんだ?」
「久しぶりだし、外は暑いし、ちょっと食欲もなくなっているんで、ツルンと食べられるコーヒーゼリーがいいな。」
「こっちでも過剰演出が必要なのか?まあいいか。お前がこいつを頼むのはほんとに久しぶりだからな。アイス増量しといてやるよ。今のお前には余剰エネルギーにはなりそうもないからな。」
「マスター、サンキュー。」

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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☁| Comment(8) | TrackBack(0) | 珈琲症候群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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