2008年10月10日

◇秋の情景

いらっしゃいませ。毎度お立ち寄りいただきありがとうございます。
せっかくの秋の日なので装いも秋らしくしてみました。

今回で通算100回を数えます。
始まってこの方変わったことといえば私の通勤経路がどんどんと遠くなっていったことぐらいでしょうか。
ただし、日々の生活時間割りは確実に変化をしました。毎回の記事を仕上げるためにだらだらとテレビを見続けることが減り、休日に図書館に向かうことが増えました。これが嫌な変化であれば早々に放り出してもとの生活に戻っていたことでしょうが、そうではないというように着実に記事は数を増していき、元の生活には戻っていません。

以前50回の記念では女性のモノローグでお話を進めたので、今回は男性編。うまくいくでしょうか?
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徐々に深まる秋の日。
青い空は抜けるように高く透き通り、雲は日の光を隠すほどに大きく厚い物は見当たらない。
涼しい風が商店街を吹き抜けていく。大方の店が休みの今日は人通りが数えるほどしかない。

まだお昼には間がある。お客の姿は…
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「ああ、あの日は横浜に出かけたんだっけ。君は公園から見える港の景色が好きだった。」

「もう修復は叶わないとわかっていたけれど、もしかしたらと一縷の希望を持って出かけて行ったんだっけ。」

「でも、君も僕もすぐに気が付いていたね。最後のデートだって。君は前だけを向いていたし、僕は君を追いかけることをしなかった。目を閉じて遡ってみても僕が君から離れていくことなんか今までなかったはずだものね。」

「風音が止まった黄昏時、僕のほうから切り出した。これまで別れの言葉なんか探した事なんかなかったのに。」

「せめて微笑みの中で聞いてくれればよかった。君が別の男を好きになっていたのはわかっていたんだ。だからせめて気持ちよく送り出したいと思って僕から切り出したのに。泣くなんてずるいよ。」

「それでも、これでキリをつけることができた。しばらくは落ち込むだろうけど、すぐいつもの僕に戻れると思う。さよなら、今までありがとう。」

*****

「ううっ、いらん事まで思い出しちまったな。もう25年ほども経つのか。あれっきり会うこともなかったし、あれ以前も以降も別れ話を自分から切り出すことはなかったな。」

「いったい今日はどうしたんだ?商店街が休みだってことはわかるが、ここまで客が来ないとはな。こう暇だと頭の中が変な記憶のリフレインばっかりになっちまう。二人とも休みにしておいて正解だったな。」

「あれっ、なんでこれがここにあるんだ?これは入り口の扉にかかっていなきゃいけないものだろ?おやっ?メニューボードが電話台の前にあるまんまだ!」

「いかんなぁ、開店業務が途中で止まってるじゃないか。外看板のライトも点いていないし、日除けのテントも出てない。何やってんだ、きちんとしろ・・・って俺のせいか?久しぶりに一人で営業するってのに何やってんだか。」

「ひょっとして商店街から覗いて、まだ開いてないって思われているのか?急いで済ましちまわないと客は来てくれそうもないな。こんなところをあいつらに見られたら今後怒鳴れなくなっちまうよ。急ごう!」
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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☀| Comment(14) | TrackBack(0) | 珈琲症候群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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