2009年01月04日

◇お正月休み

商店街を破魔矢を持った和装の娘が連れ立って歩いている。
近所の神社に初詣に出かけた帰りだろう。

今年の正月3が日はよい天気が続いていた。
だが、空気は冷たく、時折吹く風が体の芯を冷やしていく。

店の前ではいつもの若い常連が休業看板を目の前にぼやいている。
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「おっかしいなぁ〜、マスターどうしちゃったんだろう?」
「去年までは年末年始って大晦日と元旦しか休まなかったよな。なのに今回は改装のときより唐突でしかも随分長いよ。」
「マスターが不在ならお姐さんと若いのだけでも店は開けてたのにな。」
「その辺がおかしいんだよ。常連にも何にも言わないでいきなり『本日休業』の札が出たっきりだろ?3人揃ってどうしちゃったんだ?」
「いつからこうなったんだっけ?」
「う〜ん、先月の29日からかな。そろそろ1週間になるな。」
「マスターなんて家族もあるんだから行方不明ってこともないだろうし、お姐さんと不倫旅行ってのもありえないしな。」
「ぷはっ、それだけは絶対にありえないだろ。あれはもう親子だよ。息子の成長を見守ってる頑固親父の目だぜ。」
「そうだよな、だったらどうしたってんだ?」


「もしもし、お前か?俺だ。明日から開店するからな、頼むぞ。坊やにはもう連絡してあるからな。」
「あ、マスター。本年もよろしくお願いします。それはそうと奥様のご実家どうでした?」
「ああ、俺にとって田舎はつらいよ。何かって〜と飲まされるんだからな。普段それほど飲まない俺にゃあ酒壜が恨めしく思えてきたよ。お前こそあいつとどこか行って来たんだろ?クリスマスに続いてお前らしくないイベントが重なって、熱でも出してるんじゃないかって心配だったんだぞ。」
「マスター、いくら私が年末から浮かれてたからってそれは言いすぎです。それよりマスター、私大変なことをやらかしちゃったみたい。」
「なんだ?あいつとの旅行で大酒飲んであきれられたのか?」
「違いますよ、お店のことです。私の部屋に年末に用意した貼り紙が置きっぱなしになってたんです・・・御免なさい!」
「てことは休業理由も期間もわからないまま店は閉まってたのか?あちゃ〜、ま、しょうがない、済んじまった事でガタガタ言っても始まらん。そのかわりお客の文句はお前が担当するんだぞ。」
「は〜い、解ってます。それじゃあ明日、いつもどおりお店にうかがいます。」

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2009年01月09日

◆番外編 11.コーヒーメーカー

いつもお越し頂きありがとうございます。番外編第11回をお届けします。

今回は皆さんの家庭にある確率の高いコーヒーメーカーを扱ってみます。
しかし、ただセットしてスイッチを入れるだけでは芸がありません。
そこはマスターは秘策を考えているようですね。

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「おはようございます、あれ?このお店には似つかわしくない器具ですね。」
「おう、おはよう。お前ならこのコーヒーメーカーをどう扱うかなと思ってな。用意してみたんだ。」
「また私を試すんですね。いいですよ、受けてたちましょう。」
「それじゃあ始めるか。コーヒーメーカーでの抽出がなぜいけないのか3点述べてみろ。」
「うわっ、いきなりきましたね。そうですね・・・、1つ目は蒸らしがされないことですね。2つ目はお湯が珈琲豆に接触している時間が長い、3つ目は・・・あれ?何でしょう?」
「おいおい、いい加減にしろ。一番やっちゃいけないって言っている事だろう。」
「ああ、そうでした。絞っちゃうんですね。」
「やっと出てきたか。と、まあこんな具合にコーヒーメーカーで作るコーヒーってのは先人の工夫を全て無にしてくれている訳なんだが、それでもこれだけ一般家庭に普及しているのは手軽さなんだろうな。誰がセットしても大体同じ味になる。豆の種類を変えればそれなりに味が変わる。」
「確かに簡単に淹れられるから便利に感じますよね。水とコーヒーの粉をセットして放っておいても出来上がる。朝の忙しいときには時間の節約ができますよね。」
「だからといってこれが珈琲と思ってしまっても問題があると思うが・・・。」
「でも実際こんなに普及しちゃたらしょうがないですよね。」
「ああ、だから今日の講習を思いついたんだ。」
「コーヒーメーカーで美味しい珈琲を淹れようってことですか、なるほど。」
「そこでさっきの3項目を何とかできないかって考えてみた。2番目の接触時間はどうしようもないが、1番目と3番目は何とかなると思う。」
「そうか〜、勝手にお湯の出る量は決まってるからしょうがないですね。蒸らしの時間と絞らないようにするわけですね。」
「お前ならどうする?」
「絞らないほうは思いつきました。最初に入れるお水の量を多めにして、落ちきる前にサーバをはずせば良いと思います。」
「正解だな、それ以外に方法がない。では蒸らしの時間はどうする?」
「そうですね、蒸らしの部分だけは手で行うってのは駄目ですか?」
「それじゃあ簡便さが失われるな。わざわざ別にお湯を沸かすのは駄目だな。」
「一定量でお湯が出ちゃうんじゃアメリカンの淹れ方だからそのままでもいい?」
「それも駄目だ。蒸らすことはきちんと行いたい。とすれば方法はひとつ。よく考えろ。」
「そう・・・、わかった!一旦止めるんだ。蒸らしに必要な量がドリッパーに入ったところで電源を切る。これで正解?」
「ああ、それが一番いいな。ここできちんと蒸らすことができればより美味しい珈琲になるはずだ。タイミングが難しいとは思うがな。では実際にやってみろ。」
「やっぱり私がやるんですね。お水は多めに量って給水タンクに入れますよ・・・ああっ・・・あふれそう。」
「お前、何杯分淹れるつもりなんだ?俺とお前しかいないんだから2杯でいいんだぞ?」
「えへへ、多いほうがいいかな〜なんて・・・。ドリッパーにペーパーをセットして普通に粉を量って入れました。」
「それじゃあ最初のチェックポイントだな。スイッチを入れて抽出を始めよう。」
「では、スイッチ・・・オ〜ン!あれ?お湯がなかなか出てきませんね。」
「ここが再開時に問題になるところだ。蒸らしすぎに注意しろよ。」
「出てきました、ドリッパーから多少滴下したんで一旦電源を切ります・・・あああ、まだお湯が出てきますよ。そうか、それでタイミングが難しいっておっしゃったんですね。まあ最初はこんなもんですよね。ドリッパーの中が見えないってのも不安ですね。それじゃあ再開します。なんだか不安だ・・・。珈琲のたまり方が遅いですね。これじゃあ過抽出になりますね。丁度2杯分たまったのでサーバーをはずしますよ。あっ、熱い!!」
「おいおい、気をつけろ。電源を切ったってお湯は出続けるから火傷するなよ。必要以上に水を入れるとこういうことになるんだ。はずすタイミングで給水タンクが空になるのが理想的だな。」
「わかってるなら最初に教えてくださいよ。意地悪なんだから。」
「それで、出来はどうなんだ?」
「どうぞ、飲んでみてください。私もいただきます。」
「どれどれ・・・ん、まあこんなもんかな?こっちは先に手を加えないで淹れたものだから飲み比べてみろ。」
「はい!・・・え〜っ!こんなに違うんですか?」
「いつも言っているだろう、珈琲はちょっとした手間を惜しむと極端に味に影響が出ると。単純な構造のコーヒーメーカーだからちょっと手をかけるだけで味はかなり良くなるんだ。」
「これでお湯の出方の調節まで出来たら完璧なんですけどね・・・残念ですね。」
「馬鹿いってんじゃない。この機械はあくまで代用品だ。時間が惜しいとき、足らないときにちょっとだけお手伝いしてもらうためのものなんだ。暇に空かしているお前には無用の長物だ。少しでも多く抽出して自分の腕を磨け。」
「あ〜あ、新春1回目も怒鳴られて終わるのね。不憫なわ・た・し・・・。」
「いい加減にしとけよ!」

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2009年01月19日

◇桜の季節はまだ遠い

木枯らしが吹く寒い夕暮れ。
今日は商店街の休日で店の多くがシャッターを閉めている。

いつもより薄暗い商店街の角を肩を落とした男性がこちらに向かってやってくる。受験で忙しいはずの常連の学生だった。
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「マスター、お久しぶりです。何か暖まる物をください。」
「おや、久しぶりだな。どうだ、受験準備は進んでいるのか?」
「ええ、センター試験はとりあえず終わりました。自己採点の結果があまり芳しくないんですよ。それでちょっと気分転換に寄らせてもらったんです。」
「そうか、最後まで頑張れよ。お前は例の彼女と同じ所を目指しているんだろ?彼女のためにもここから挽回すればいいじゃないか。まだまだ時間はあるさ。」
「それが、そうじゃないんです。この半年、受験勉強をしていく中で自分がこの後学びたいことが分かってきたんですけど、彼女の通う学校では学部そのものがないって気づいちゃったんです。」
「まあな、人それぞれに欲求はあるよな。しかし、お前を待っている彼女はどう言ってるんだ?ちゃんと話はしたのか?」
「ええ、この1年ずっと家庭教師の役もしてくれてましたから知ってはいます。まあ、その辺が問題っていえば問題なんですけど・・・。」
「理解してくれているんなら問題ではないだろう?」
「う〜ん、ぶっちゃけちゃうと僕の成績では彼女の大学は玉砕するのが目に見えているんですよ。それだから彼女は『背を向けて逃げ出した』って思っているようで・・・。実際、語学の成績が全然足らなくって成績が良かった彼女にとっては歯がゆいらしくって。」
「そりゃ随分大きな問題を抱えたな。それでも都内の学校を目指してるんだろ?多少離れたところで高校と大学ほどは時間的な制約はなくなるんじゃないか?」
「それが・・・一次志望で行きたいところは地方なんです。」
「ありゃぁ、そりゃあ彼女もカチンと来るだろ。付き合い始めてすぐに学校が別々になり、それでもお前が後から来てくれると思って家庭教師まがいのこともし、蓋を開けてみたら東京から離れるなんて告げられれば『この1年の私の思いはどうしてくれるの?』って気にもなるってもんだ。」
「そうですよね。悪いのは僕だって判っているから彼女に申し訳なくて。それでも後ろ向きに考えたんじゃないことだけは解ってほしいんですけど。」
「結論は結果が出てからでも遅くないと思うぞ。彼女のところも受けては見るんだろ?」
「ええ、それは当然。フロックででも受かってしまえば後で笑い話に出来ますよね。」
「ああ、そうさ。その上での選択であれば彼女にも顔が立つだろ?」
「そうですよね。彼女の説得のためにも『無理』なんて決め付けずに出来る限りの事をするべきですよね。なんだかすっきりしました。」
「すっきりしたところでこんな珈琲はどうだ?『キャラメルジンジャーコーヒー』だぞ。」
「また名前からして暖まりそうなコーヒーですね。ありがとうございます。」
「これからは体調管理が一番大事だ。最後まで気を抜かず頑張れよ。」
「いつも迷惑ばかりかけてすみません。でも、ここに来れば何か答えが見つけられるんじゃないかって期待して来ちゃうんですよ。」
「俺なんかじゃたいしたことは言えないが、愚痴やたまっているものを吐き出す相手にはなってやれるからな。行き詰ったらいつでも来いよ。」
「ありがとうございます。」

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2009年01月25日

◆応用編 9.カッピング(序)

毎度お越し頂きありがとうございます。応用編第9回をお届けします。
番外編に戻ったと思ったらまた応用編です、すみません。
今回は、自分の購入した豆を定点的に判断していただくための技法です。

以前に申し上げたとおり、毎回同じ量、同じ手順で珈琲を抽出していただけば差はなんとなく解ってくると思います。しかし、記憶と言うのは曖昧なものなのできちんとした記録に残すための手順を紹介しておこうと思います。
スペシャルティ・コーヒーなどを入手された際に、普段飲んでいるものとどう違うのか、どこが素晴らしいのかを説明できたらカッコいいと思いませんか?
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「おはようございます、何ですか?このグラスの山は?」
「おお、おはよう。ん?これか?今日はカッピングをしようと思ってるからな。テイスティングカップ用に用意したんだ。」
「へぇ〜、こんなのでやるんですか…ってカッピングってなんですか?」
「一定条件下で香り・酸味・コクなんかを比較する、豆の個性を見極めるために行うテストだな。最近、スペシャルティ・コーヒーがいろいろと手に入るようになってきたんで、自分が購入した豆がどんな豆なのかを記録しておくのも良いかと思ったわけだ。」
「スペシャルティ・コーヒー?特選珈琲?」
「お前のボケっぷりはどうしたもんかな?まあいい、簡単に言うと豆の味で決められた価格を持った珈琲のことだ。」
「えっ?珈琲って味で価格が決まっていたんじゃないんですか?」
「味そのもので価格取引がされるようになったのは、この10年ほどだ。」
「それまではいったいどうやって価格を決めていたんですか?」
「1つはブラジルコーヒーなどのようにきちんとした規格によって管理されているもの、もう1つはモカ・マタリのように伝説をもったもの。評価基準が味中心ではなかったわけだ。」
「そうか、規格っていうのは最低基準をフォローするだけで、味には踏み込んでないですもんね。豆の粒の大きさや不純物の混入度合いなんて、本来味を決定する要素ではありえないですもん。美味しくなくても規格にさえ合致していれば高額取引の対象になっていたんですね。」
「発展途上生産国の経済的自立を支援するためのグルメコーヒーの開発プロジェクトが思わぬ副産物を生み出してくれたんだ。世界的な統一基準作りが必要とされてきたんだな。」
「経済支援で美味しい珈琲作りなんてなかなか粋なプロジェクトなんですね。」
「このことによって今まで珈琲取引の中心にあったブラジルなどの豆に消費国から駄目だしが出るようになった。それで消費国側の欲している珈琲を理解するためにCOE(カップ・オブ・セレクション)が各国で行われるようになったんだ。その際に使われるテスト方法がカッピングなんだ。」
「ふ〜ん、珈琲の世界でも既得権の撤廃が徐々に行われているんだ。でも、本当に美味しい珈琲が手に入るようになったのはいいことですよね?」
「そうなんだが・・・価格が青天井になったのも事実だ。」
「どういうことなんです?」
「CEOで入賞した豆はコーヒー業者のオークションにかけられるんだ。なかでも高得点を出した豆はいくらの値がつくか見当もつかない。」
「でも、この店で扱っているわけじゃないんでしょ?ええっ、もしかしてたまにマスターが本日のサービスといいながら普段の倍もする珈琲を出しているのはそれだったんですか?」
「ああ、たまに豆屋で見かけて手に入れたものだ。だがせいぜいスペシャルティ・コーヒーの中でも一番下のクラスのものしか商品には出来んよ。」
「え〜?私も美味しいの飲みたい。」
「1杯が数千円になっても飲んでもらえると思うか?この店で?」
「そ、それは・・・、そっか、そういうことなんですね。」
「俺たちが飲む分には勉強という意味でも対価を支払う必要があるかもしれない。だがな、一般消費者にとってそんな価格の珈琲は不要と判断されると俺は思う。だから今以上の評価の珈琲は扱わないんだ。ただし、お客さんが自分のために手に入れて欲しいと言ってくれるなら豆屋の尻たたいてでも手に入れて来るがな。」

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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月31日

◆応用編 10.カッピング実践

毎度お越し頂きありがとうございます。応用編第10回をお届けします。

前回はマスターの手腕でもカッピングの実践にたどり着くことが出来なかったようです。それだけこの10年ほどの珈琲業界がそれ以前に比べて大きく変わったということでもあるかと思います。

今回は前置きや歴史などは脇において、いきなり実践をするようです。様々な理由は後ほど説明があると思います。一緒にチャレンジしてみてください。
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「よ〜し、今回は最初からカッピングの実践だ。」
「挨拶もなしですか?前回時間がなかったからってそれはマズくないですか?」
「大丈夫だ、オーナーが上で挨拶ぐらいしてるさ。それじゃあカップを20個用意しろ。」
「2・・・20個ですか?」
「5つづつ4組を2列に分けて並べておくんだ。質問は後で解説してやるからな。」
「2列ですか?ひょっとして私とマスター二人でやるんですね。」
「ああ、2種類の豆で行おうと思っている。記録用紙はこれだ。」
SCAA評価票






「記号とか英語とかでさっぱり記入の仕方が分かりませんが。どうすればいいんですか?」
「ああ、SCAAの評価用紙のコピーだからな、英語は当たり前だ。簡単に説明するぞ。一番左に豆の名前や産地を書く。その次が焙煎度フレグランス/アロマ。次の上段がフレーバー、下段が余韻酸味ボディ。次の下段がバランス。上段はユニフォーミティ。次の上段がクリーンカップ、下段がスイートネス。最後が全体的な雰囲気とでもいうのかな。」
「この目盛り、6〜10になってますけど・・・。」
「評価の最低が6点最高が10点その間を0.25刻みで採点するんだ。それより用語の解説はいらないのか?」
「質問は後でと言われたので・・・。出来れば始める前に理解しておきたいなとは思っています。」
「謙虚だな。順に解説するぞ。フレグランス/アロマはどちらも香りだ。前者が粉の状態、後者が液体となった状態でのものをいう。フレーバーは味と香りを総合した印象、評点のほかに豆の個性を食べ物にたとえて表現して記入する。余韻は飲んだ後の舌や鼻腔に残る余韻の評価だ。酸味はわかるな。ボディはコクや口当たりをいうが、飲んだときの濃度や粘りを評価する。バランスはフレーバー・酸味・ボディの相対関係を分析する。どのようなバランスかを書き込んだほうが分かりやすいだろうな。ユニフォーミティは均質性、5つのカップでの差が出ているかを評価。クリーンカップは香味のクリーンさを評価する。スイートネスは文字通り甘さ。これぐらいでいいか?」
「一遍にいわれても・・・。なんとなく程度にしか分かりませんよ、大丈夫かなぁ?」
「いいさ、今回用意した2つの豆の違いを評価できれば良いとしよう。」
「そうですか?良かったぁ、こんなに細かく評価するなんて思わなかったんですよ。」
「今回、用紙の説明で終わるわけにはいかないから、さっさと進めるぞ。それじゃあ前回用意した"ブラジル「サンパウロ農園」"のカッピングから始めよう。1カップに8.25gの荒めに挽いた粉を均等に量り入れろ。」
「カップごとに差がないかも評価のひとつなんですね。この挽いた豆の香りがフレグランスですね。」
「それぞれのカップ全部をチェックしろよ。次にカップに150ccずつお湯を入れる。大体92〜6℃の温度がいいとされる。抽出時間は3〜5分、その間のアロマもチェックするように。」
「フレグランスとアロマは全然違うものですね。私は挽いた瞬間の香りが一番好きですね。」
「よし、3〜5分たったらスプーンで表面の粉を崩す。炭酸ガスと一緒に一気にアロマが広がるからチェックを忘れるな。」
「香りが徐々に変わっていきますね。普通に淹れていたんではこの変化はわかりませんでした。」
「スプーンを使って表面の泡(灰汁や油)を取り除き、珈琲をスプーンで掬ってすするように空気を含ませながら口の中全体に広げるようにして味と香りをチェックする。」
「結構忙しいですね。5つもあるとゆっくりしていたら最初と最後で印象が変わってしまいそうですね。でもこれだけの豆があったら一人分で3〜4杯淹れられますよ。」
「正式な手順で行ったからな。個人でやるならカップ数を減らしてユニフォーミティを問わないで評価してもいいと思うぞ。それより次の豆を準備してくれ。」
「これはどこの豆なんですか?」
「"パプアニューギニア「シグリ農園」"の07-08年産だ。先のブラジルと比較してもかまわんから評価してみろ。」
「後でマスターの評価も見せてくださいね。」

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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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