2009年10月02日

長期休暇のお詫び

随分と更新の間が開いてしまい、もう10月の声を聞いてしまいました。
お客様方にはお待たせしてしまって申し訳ありません。
少々私的な事情により、まとまって記事を書く時間をとれず、テンションも下がりきってしまっていたため、この世界からあえて足を遠のけていました。

それでも毎日珈琲を淹れて飲み、お店で見かけぬ豆を発見すると購入してみたりと珈琲に拘わる姿勢には変わりはありません。
風呂敷を広げたいくつかのお話と講習会にもキリをつけなければなりませんし、書きたいお話も膨らんできましたので近いうちに再開したいと思います。

またのご来店をお待ちしております。


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「マスター、このところ何にもありませんね。常連さんも困りごとを持ち込んでこないし・・・。」
「お店ってのはこんなのが普通だよ。飽きずに日々を繰り返すのが商売って物だ。それよりお前の方は進展はないのか?」
「何だか海外に出かけたみたいなの。一緒に連れて行ってくれてもいいのに・・・。」
「バカ言うなよ。お前が長期の休みなんか取った日には、俺が困るってことがわかってるんだよ。お前が次に長く休めるのはハネムーンぐらいだろうな。」
「えっ?そんな・・・、まだまだそんなところまで進んでないですよぉ。ってことは彼との旅行はできないの?そんなぁ・・・。」
「2〜3日ぐらいならいいが今回のように1月に亘るようではちょっとな。オーナーとしては許すわけにはいかんだろうな。」
「ちえっ、彼氏の選択を誤ったかしら。」
「あいつからメールが来ていたから、返信でそう言ってたって伝えておくからな。」
「ちょっちょっ・・・それはご勘弁を。毎日のラブラブメールに変な火種を投下しないでくださいよ、もうっ!」
「そうか、毎日のようにメールが来ているんだな。俺のところには半月ぶりだったから心配していたんだ。それならいいさ。」
「変なカマの掛け方ですね。大丈夫ですよ、このお店のためのお仕事だってわかってますから。でもあちこち楽しそうでいいなって思ってはいるんです。私も見てみたいな・・・なんてね。」
「あいつがどんな答えを出すのか楽しみなんだ。いつ頃帰るって聞いているか?」
「もうちょっとかかるみたいです。昨日のメールでは明日から南米へ向かうって言ってきてましたから。」
「そうか、わかった。あいつは地球を1周するつもりなんだな。気の済むまで行って来るよう伝えておいてくれ。」
「それはちょっと・・・。早く帰ってきて欲しいな、私としては。」
「勝手に惚気てろ、洗い物頼んだぞ。」
「はぁい、わかってますよ。どうぞお食事済ませてください。」

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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☁| Comment(10) | TrackBack(0) | 連絡用掲示板 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月27日

◇禁足

空が青く透き通り、都会の空でも随分と高く感じられる。
風に乗って香ってくるのは金木犀が放つ芳香だろう。

カウンターの中で忙しそうにいつものウエートレスが洗い物を片付けている。マスターの姿はなく店の奥では若いウエイターがテーブルセットを直しているようだ。
お昼休みには不似合いな時間に感じた常連の一人がウエートレスに問いかける。
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「あれっ?マスターは?」
「あら、いらっしゃい。いつものでいいの?」
「うん、いいけど・・・。マスターお休みなの?」
「ええ、息子さんが新型じゃないほうのインフルエンザなんだって。自分のせいでお客さんに感染する可能性があるから息子さんが全快するまで1週間ほど店には出ないって。自宅に篭っているわ。」
「なんだ、大変っちゃあ大変だけど深刻じゃなくって良かったんだね。」
「そうね、マスターと妹ちゃんは元気なのに出歩けないんで暇を持て余してるみたい。あと2〜3日すればオーナーが送ってきた豆の焙煎が出来上がるから多少暇つぶしの材料にはなるでしょうけど。」
「いい加減マスターも仕事熱心だね。」
「本当にそうなのよ。この間なんか小学生の娘さん相手に抽出訓練してたわよ。高校生になったら私の代わりにお店の看板娘にするんだって。」
「あちゃぁ、あのマスターの娘さんって・・・。ちょっと背筋に悪寒が走ったんだけど。びっくり箱がお化け屋敷になっちゃわないかな?」
「びっくり箱って何よ。それに、知らなかったの?マスターのお子さんたちって可愛いんだから。特にお嬢さんは将来有望よ。」
「どんな遺伝子なんだろ?ちょっと想像できないよ。このご時世で5年も先の不確定な事項じゃあ期待はできないな。それにそのころまでこの店が続いているとは・・・。」
「こらっ!それは仮にも常連が口にする台詞ではないでしょ!『よ〜し、それまで僕たちがこの店を支えてやろう』くらい言ってごらんなさいよ。ほんとに薄情な常連なんだから。わかったわ、今後あなたの『いつもの』は知らない振りしましょう。坊やにもよ〜く言い含めておくからね。」
「そんな・・・。友達連れてきたときの多少の優越感ぐらい味わわせてくれたっていいじゃないかぁ。」
「このお店を愛してくれてないお客さんになんて常連顔して欲しくないの。さあお客様?何をお召し上がりになられますか?今日のお薦めは厚手に切ったレモンをカップいっぱいに浮かべた『カフェ・リモーネ』になっております。最近仕入れるようになったメイヤーレモンを使用して酸味を抑えてみました。いかがですか?」
「うわっ、その商品説明の仕方、お姐さんじゃないみたい。」
「私だってこれ位できるし一見のお客さんにはするようにしてるのよ。席に着く前から『いつもの』って叫ぶようなお客さんには聞かせてあげることが出来なかっただけよ。」
「お姐さんが台詞を噛んでパニくる様子を観察するのも面白いかな。」
「そんなものを楽しみに待たれるのはちょっとイヤかも…。いいわ、マスターには内緒にしておきましょう。」
「ちぇっ、残念…なんてね。そうだ、なんとなく美味しそうに思えたので『カフェ・リモーネ』に変更してくださいな。」
「今後『いつもの』って言われたら『カフェ・リモーネ』を出せばいいのね?」
「それは絶対止めて。あれ、ビジュアル的にも味もインパクトありすぎるから毎日飲めるものじゃないよぉ!」

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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | 珈琲症候群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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