秋風は次第に冬の色を纏い始めた。
北風に剥ぎ取られた枯葉が店の前を飛び去っていく。
背の高い、と言ってバランスが悪くない均整の取れた広い背中の後ろ姿を持った学生が二人連れだって店に入って行った。
カウンター席についた二人はマスターの手が空くのを見計らって声をかけた。
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「マスター、久しぶりなんでスター選手を連れてやってきたよ。ほら、お前も挨拶しろ。」
「初めまして、弟です。兄に聞かされていたより全然シックなお店ですね。」
「おお、嬉しいことをいってくれる。兄さんより出来はよさそうだな。それともスタープレーヤーとして身に着けたソツのなさかな?」
「そんな・・・、僕がいいプレーを出来るのはチームのみんなのおかげですから。」
「そりゃあそうさ、ラインの連中がいなかったら走路は開かないんだからな。」
「俺は先シーズンからの兄貴のプレーが気に入ってたんだがな。」
「えっ?マスター、兄貴の凄さがわかってくれてるんですか。いや〜嬉しいなぁ。いつも地味なプレーが多いんですけど、それがなければ僕はあれほど走れなかったんですから。」
「そんなことはないさ、お前の力は本物さ。自分はそのアシストをしているに過ぎないよ。」
「俺はな、弟の出ていない時のお前のプレーが好きなんだ。チームオーダーがあって余り好きにはできないんだろうが、自由にやらせてもらっている時のお前の動きは普段とは違う、相手のディフェンスを翻弄させるようなトリックをきちんと仕掛けてくる。見ていると次に何が起こるかわからないおもしろさがあるんだ。」
「マスター、それは買いかぶり過ぎですって。自分は高校時代はディフェンスもやってたんでやつらがどう動きたいのかが見えるときがあるんです。そんな時のためにこいつがいない時のユニットのメンバーに話を通してあるんです。連中も面白がって手伝ってくれますよ。」
「ああ〜っ!そんな面白いことしてたんだ、兄貴!混ぜてくれたっていいのに。」
「お前が出ている時にやっても意味がないんだよ。」
「そうだな、いつも影のような兄貴が派手なプレーを仕掛けてくるんだ、相手は驚くだろ。コーチはどう言ってるんだ?」
「好きにやれって言ってくれますよ。その代わりコーチが許可した時だけって限定ですけどね。」
「どうしても弟がもてはやされてるから多少の鬱屈はあるのかと思っていたが、思い過ごしのようだな。きちんと自分の役割を理解してるし、自分のアピールも忘れていない。こいつが鳴り物入りで入学してくるまでのお前からは随分成長したんだな。」
「こいつにだけは負けたくなかったんですよ。でも立場が違うのに同じ土俵で比較しても意味がないでしょう。だから、こいつが『凄い』ってわかるプレーを常にできるようになれれば良いかなって思うようになったんです。」
「兄貴〜、大人じゃん!やっぱ僕は兄貴の背中を追ってきて良かったって思いますよ。」
「自分は今シーズンで次のステージに向かう事になる。2年後、敵同士でぶつかれるといいな。」
「お、社会人でもやるんだな。お互いのチームが頑張ればもっと早く相見えることも無いとは言えんぞ。」
「そんな凄いチームが自分を欲しがってくれれば良いんですがね。」
「それは今戦っているこのシーズンの成果に掛かっているんじゃないのか。頑張れよ。」
「はい、これからも見てて下さいね。」
「僕もガンガン走りまくりますよ。応援してくださいね。」
本日のメニュー
カフェ・ミット・シュラグオーバーウインナー・コーヒーのうち以前にアインシュパナーをご紹介しましたが、これもウインナー・コーヒーの1形態。フレンチローストの珈琲に糖分を加えたホイップクリームを別添えにして提供します。
クリームをお菓子代わりに食べながら珈琲を頂く感じですね。
万人受けするアインシュパナーに対してちょっと玄人受けするシュラグオーバーと見てください。丁度本編に登場する兄弟のように。



玄人受けするものが好きです。たとえマニアックと言われようとも。
この兄弟の会話いいですね。私は姉を持つ妹なので、男兄弟に憧れるところがあります。
お兄ちゃんが欲しかったな〜。
いらっしゃいませ。カフェ・ミット・シュラグオーバーですね、ホイップの糖分には粉砂糖を使いましょうか。
>玄人受けするものが好きです。
>たとえマニアックと言われようとも。
男性の趣味もですか?
>お兄ちゃんが欲しかったな〜。
私も長子なんで上が欲しかったですね。今でも素敵なお姉さんは欲しいと思いますよ。
色づいた葉っぱのダンスを見ながら、私もカフェ・ミット・シュラグオーバーをいただきたいです。オーダーするときに舌噛みそうだけど。
ホイップの香り付けにリキュール一滴たらしたりなんてのは邪道かしら。
ところでシュラグオーバーってなんて意味?
いらっしゃいませ、ミット・シュラグオーバーにコアントローでもトッピングしましょう。
>ミット・シュラグオーバーってなんて意味?
砂糖をかけたホイップクリーム添えとでも訳すんでしょうか。ドイツ語には不案内です。
ちなみにアインシュパナーは1頭立ての馬車という意味で、御者が主人を待つ間に寒さと睡魔から耐えるために飲んでいたものらしいですね。
>わあ、落ち葉が舞ってる〜。
久しぶりに落ち物を復活させました。実はこれがやりたいためにスキンも変えていたんですよ。
一押しブレンドでお願いします。
どっちのスポーツだ?と思ってましたが、やっぱりそっちでしたか。 (^o^)
この兄ちゃんみたいに自分の個性を磨き出せると、いいですよねぇ。
僕がコーチだったら、すっごい嬉しいと思います。
ちなみに僕はずっとサッカーをやってたんですが、いつまで経っても持久力がつかず・・・。
センターフォワードだったんですが、1試合まるまる体力が持つことが少なく (^_^;)、
ハーフタイムだけ出場することも多かったです。
その半分の時間で必ず1点はとる!みたいな動きを心掛けてましたね。
均衡して切迫した試合で1点とるのが得意でした。
楽勝な試合と力の差がありすぎる試合では、どうしたものがあまり得点できなかった気がします。
いらっしゃいませ、一押しのブレンドですか?それでは先日入手したブルーマウンテン・ブレンドなどいかがでしょう。50%ブルマンという豪勢なものです。
>いつまで経っても持久力がつかず・・・。
持久力にも色々ありますよね。体力だけの場合もありますし、精神(集中)力が伴ってのものもあります。私も精神力だけの持久力なら自信はあるのですが。
>その半分の時間で必ず1点はとる!みたいな動きを心掛けてました
それを理解して起用していただける監督・コーチが居ればこそですね。適材適所を判断できる力も管理者の必要な資質だと思います。
>楽勝な試合と力の差がありすぎる試合
緊張感が足らなくなってしまうんでしょうか?追い込まれないと力が発揮できないタイプなんでしょうか。でもそれってスターに多い資質ですよね。