冷たい風が店の前を吹き抜けていく。
師走に入りコートの襟を立てて歩む姿が目に付くようになった。
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「軍曹!僕たちどうなるんですか?」
「ああ、俺自身前回のときは残った口だからな。退役になった連中がどうなったのかはよくわからんのだ。訪ねて来るやつはいないしな。」
「僕たちは頑張ってきたはずです。突然首ってどうしたんでしょう。」
「さあな、上からの命令だ、俺にゃどうしようもないな。判っている事はもうじきここから出て行かなきゃならんってことだけだ。ただ次の仕事は紹介してもらえるようだな。」
「理不尽ですね。確かに最近は欠けたメンバーの補充もなかなか来なかったりしていましたが、そんなに僕たちの成績が悪かったんですか?」
「いや、そんな話は聞いてないな。まあ、お前たちもここに来て5年、そろそろ徴用期間が終わったってことだ。お前たちと一緒に来た資材係の連中も一緒に退役だそうだ。」
「ああよかった。あそこにはいい娘が居たんだ。一緒に次の仕事が探せるといいな。」
「俺だって今回は退役組に入れられたんだ。まだまだ現役で頑張れるってのに。残るのはあの金ぴかをつけたお偉方だけだって話だぞ。」
「あれ?僕が聞いた話だと工兵部隊は居残りだって話ですよ。最近あまり出番が多くないんで放り出されるかって思ってたのに、残されることになったって喜んでましたから。」
「あっちには情報が行っていたんだな。そういえばお偉いさん専門の部隊もあそこにはあったからな。安泰なお偉いさんたちは口が軽いんだな。」
「軍曹は前回みんなを送り出したんでしょう?そのときはどうだったんですか?」
「ああ、前の連中はみんなここに次の働き先の雇い主が迎えに来てたな。1ユニットまとめて受け入れとかは珍しくなかったぞ。素敵なバスでみんな一緒に次に向かって行ったよ。」
「へぇ〜、ここのキャンプの評価は世間では高いってことなんですね。じゃあ僕たちもそうなるのかな。」
「そうだとすると次は今以上に元気に仕事のできる勤め先だといいな。」
「おい、お前。そんなお持ち帰り用に用意したカップやソーサーで何遊んでるんだ。」
「あっ、マスター。えへへ・・・見てたんですか?でも今回は盛大に入れ替えたんだね。」
「まあな、お嬢様がかなりリキ入れて選んだもんだからな。なかなかいい選択をしたから思い切って全面的に任せることにしたんだ。統一感を出すにはそのほうがよかったようだ。」
「なかなか素敵なカップですよ。お姐さんいい目してるんですね。」
「ああ、俺なんかよりずっとこの店に似合ったカップを選んでやがった。褒めてやろうと思ったが、天狗になってもまた困るんでな。終わった後ご苦労さんと言ってやるだけにしておいた。」
「ふ〜ん、ひょっとしてマスターは自分の居場所がなくなりそうだって心配してるんでしょ?」
「そ、そんなことはない!・・・はずだが・・・このままだと危ないかな?」
「大丈夫、この店はマスターがいなきゃ始まらないんだから。お姐さんだってそう思ってますよ。」
本日のメニュー食器の入れ替え
飲食店ではたまに行われる。
理由としては、
1.食器のデザインが古びてきた。
2.現在使用している食器が入手不能となり補充できなくなった。
3.経営者の気分(飽きた)
などがある。
きちんと揃った食器を使用しているとどうしても何年かに1度は行う必要が出てくる。その際現行の食器は廃棄するのが一般的だが常連の要望で無償で分ける事がある。
店側としても廃棄の量が減るため都合がいいとも言える。
常連としても店の歴史を共有するようでなんだかうれしいものだ。
以前私はシングルのテーブルと椅子2脚を戴いたことがあります。ベランダにおいてオープンカフェを気取っていました。そのうち邪魔になって椅子は処分してしまいましたが。


