2009年01月09日

◆番外編 11.コーヒーメーカー

いつもお越し頂きありがとうございます。番外編第11回をお届けします。

今回は皆さんの家庭にある確率の高いコーヒーメーカーを扱ってみます。
しかし、ただセットしてスイッチを入れるだけでは芸がありません。
そこはマスターは秘策を考えているようですね。

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「おはようございます、あれ?このお店には似つかわしくない器具ですね。」
「おう、おはよう。お前ならこのコーヒーメーカーをどう扱うかなと思ってな。用意してみたんだ。」
「また私を試すんですね。いいですよ、受けてたちましょう。」
「それじゃあ始めるか。コーヒーメーカーでの抽出がなぜいけないのか3点述べてみろ。」
「うわっ、いきなりきましたね。そうですね・・・、1つ目は蒸らしがされないことですね。2つ目はお湯が珈琲豆に接触している時間が長い、3つ目は・・・あれ?何でしょう?」
「おいおい、いい加減にしろ。一番やっちゃいけないって言っている事だろう。」
「ああ、そうでした。絞っちゃうんですね。」
「やっと出てきたか。と、まあこんな具合にコーヒーメーカーで作るコーヒーってのは先人の工夫を全て無にしてくれている訳なんだが、それでもこれだけ一般家庭に普及しているのは手軽さなんだろうな。誰がセットしても大体同じ味になる。豆の種類を変えればそれなりに味が変わる。」
「確かに簡単に淹れられるから便利に感じますよね。水とコーヒーの粉をセットして放っておいても出来上がる。朝の忙しいときには時間の節約ができますよね。」
「だからといってこれが珈琲と思ってしまっても問題があると思うが・・・。」
「でも実際こんなに普及しちゃたらしょうがないですよね。」
「ああ、だから今日の講習を思いついたんだ。」
「コーヒーメーカーで美味しい珈琲を淹れようってことですか、なるほど。」
「そこでさっきの3項目を何とかできないかって考えてみた。2番目の接触時間はどうしようもないが、1番目と3番目は何とかなると思う。」
「そうか〜、勝手にお湯の出る量は決まってるからしょうがないですね。蒸らしの時間と絞らないようにするわけですね。」
「お前ならどうする?」
「絞らないほうは思いつきました。最初に入れるお水の量を多めにして、落ちきる前にサーバをはずせば良いと思います。」
「正解だな、それ以外に方法がない。では蒸らしの時間はどうする?」
「そうですね、蒸らしの部分だけは手で行うってのは駄目ですか?」
「それじゃあ簡便さが失われるな。わざわざ別にお湯を沸かすのは駄目だな。」
「一定量でお湯が出ちゃうんじゃアメリカンの淹れ方だからそのままでもいい?」
「それも駄目だ。蒸らすことはきちんと行いたい。とすれば方法はひとつ。よく考えろ。」
「そう・・・、わかった!一旦止めるんだ。蒸らしに必要な量がドリッパーに入ったところで電源を切る。これで正解?」
「ああ、それが一番いいな。ここできちんと蒸らすことができればより美味しい珈琲になるはずだ。タイミングが難しいとは思うがな。では実際にやってみろ。」
「やっぱり私がやるんですね。お水は多めに量って給水タンクに入れますよ・・・ああっ・・・あふれそう。」
「お前、何杯分淹れるつもりなんだ?俺とお前しかいないんだから2杯でいいんだぞ?」
「えへへ、多いほうがいいかな〜なんて・・・。ドリッパーにペーパーをセットして普通に粉を量って入れました。」
「それじゃあ最初のチェックポイントだな。スイッチを入れて抽出を始めよう。」
「では、スイッチ・・・オ〜ン!あれ?お湯がなかなか出てきませんね。」
「ここが再開時に問題になるところだ。蒸らしすぎに注意しろよ。」
「出てきました、ドリッパーから多少滴下したんで一旦電源を切ります・・・あああ、まだお湯が出てきますよ。そうか、それでタイミングが難しいっておっしゃったんですね。まあ最初はこんなもんですよね。ドリッパーの中が見えないってのも不安ですね。それじゃあ再開します。なんだか不安だ・・・。珈琲のたまり方が遅いですね。これじゃあ過抽出になりますね。丁度2杯分たまったのでサーバーをはずしますよ。あっ、熱い!!」
「おいおい、気をつけろ。電源を切ったってお湯は出続けるから火傷するなよ。必要以上に水を入れるとこういうことになるんだ。はずすタイミングで給水タンクが空になるのが理想的だな。」
「わかってるなら最初に教えてくださいよ。意地悪なんだから。」
「それで、出来はどうなんだ?」
「どうぞ、飲んでみてください。私もいただきます。」
「どれどれ・・・ん、まあこんなもんかな?こっちは先に手を加えないで淹れたものだから飲み比べてみろ。」
「はい!・・・え〜っ!こんなに違うんですか?」
「いつも言っているだろう、珈琲はちょっとした手間を惜しむと極端に味に影響が出ると。単純な構造のコーヒーメーカーだからちょっと手をかけるだけで味はかなり良くなるんだ。」
「これでお湯の出方の調節まで出来たら完璧なんですけどね・・・残念ですね。」
「馬鹿いってんじゃない。この機械はあくまで代用品だ。時間が惜しいとき、足らないときにちょっとだけお手伝いしてもらうためのものなんだ。暇に空かしているお前には無用の長物だ。少しでも多く抽出して自分の腕を磨け。」
「あ〜あ、新春1回目も怒鳴られて終わるのね。不憫なわ・た・し・・・。」
「いい加減にしとけよ!」

本日のまとめ

コーヒーメーカーは欠点が多い抽出器具です。そのまま使うよりちょっと工夫するだけで欠点をカバーできるので、その違いを楽しんでみてください。

<欠点>
・蒸らし時間がない
お湯が出始めたら一定量が出続けるため蒸らしがされない。
・お湯との接触時間が長い
構造からたっぷりとお湯を出すことは出来ないため、湯面を上げられないので抽出時間がかかる。
・絞ってしまう
構造上放っておくとお湯が落ちきってしまう。

長所もありますよ!

<長所>
・お湯を沸かす手間がない
・量さえ間違わなければ誰にでも一定のコーヒーが淹れられる
・常に傍にいなくていい

「マスター、でもこれってあまり高級じゃないコーヒーメーカーですよね。」
「はっきり安物って言ったらどうなんだ?どうせ正月に980円で買った安物だよ。」
「そうじゃなくって・・・高級機ってどうなんですか?」
「ドリップ式なら基本は同じだ。浄水機能がついたりミルがついたりするぐらいだな。しかし最近蒸らしをするぐらいは出来るようなものがあるかもしれん。」
「ふ〜ん、そこまで自動化できるのかな・・・?」
「粉の量に関わらず最初の定量を注いだら一定時間注水を止めればいいだけだからな。それで蒸らし機能付と言い切ればいいだけさ。簡単なことだ。」
「そ、そんなもんですか・・・。規格品って美味しくなりようがないですね。」



posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは〜♪
今日はホットカフェオレを下さい♪
少しずつ嗅覚が戻ってきつつあるんですよ〜。

コーヒーメーカーって誰でも手軽に同じ味に出来るっていう長所があるんですけど、美味しくはならないんですよね・・・。豆の保存も雑になりがちだし。
コーヒーメーカーの隣に常温の豆(もちろん挽いてある)がある家庭や会社も多いでしょうね〜。

去年だったかな?私がお茶の講師をやったの覚えてますか??
あの時、丁度コーヒーメーカーの説明の時に迷ったのがまさの今回の内容についてなんですよね・・・。
あくまで「会社の狭い給湯室でのお茶出し」というテーマだったので、そこは諦めて、豆の保存と計量についてだけの説明にしちゃったんですよ〜。
以前のお店ではお湯を蒸らし用に準備してましたが、不慣れなスタッフが多く火傷の恐れがあったので絞り対策までは出来ませんでした。
でも絞っちゃうとそれだけで味は落ちますよね〜。
Posted by 花咲もも at 2009年01月09日 14:27
★花咲もも さん

いらっしゃいませ、お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。ご注文はカフェオレですね、お待たせいたしました。

体調復活おめでとうございます。
私のほうは、スキー訓練で体中筋肉痛です。また、天候に恵まれたので顔がひりひりします。

>去年だったかな?私がお茶の講師をやったの覚えてますか?
今回はあの時伝えきれなかったことをまとめてみました。実験には正月の初売りで入手したものが大いに役立ってくれました。

>・・・というテーマだったので、そこは諦めて、
この店では美味しい珈琲をより美味しく飲むために、妥協点を高く持っていく方向で書き綴っていますので、実際にやってみる方がどれだけいるかなんて気にせずこんなことも書いちゃいました。
Posted by 銕三郎 at 2009年01月12日 17:59
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