2009年01月31日

◆応用編 10.カッピング実践

毎度お越し頂きありがとうございます。応用編第10回をお届けします。

前回はマスターの手腕でもカッピングの実践にたどり着くことが出来なかったようです。それだけこの10年ほどの珈琲業界がそれ以前に比べて大きく変わったということでもあるかと思います。

今回は前置きや歴史などは脇において、いきなり実践をするようです。様々な理由は後ほど説明があると思います。一緒にチャレンジしてみてください。
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「よ〜し、今回は最初からカッピングの実践だ。」
「挨拶もなしですか?前回時間がなかったからってそれはマズくないですか?」
「大丈夫だ、オーナーが上で挨拶ぐらいしてるさ。それじゃあカップを20個用意しろ。」
「2・・・20個ですか?」
「5つづつ4組を2列に分けて並べておくんだ。質問は後で解説してやるからな。」
「2列ですか?ひょっとして私とマスター二人でやるんですね。」
「ああ、2種類の豆で行おうと思っている。記録用紙はこれだ。」
SCAA評価票






「記号とか英語とかでさっぱり記入の仕方が分かりませんが。どうすればいいんですか?」
「ああ、SCAAの評価用紙のコピーだからな、英語は当たり前だ。簡単に説明するぞ。一番左に豆の名前や産地を書く。その次が焙煎度フレグランス/アロマ。次の上段がフレーバー、下段が余韻酸味ボディ。次の下段がバランス。上段はユニフォーミティ。次の上段がクリーンカップ、下段がスイートネス。最後が全体的な雰囲気とでもいうのかな。」
「この目盛り、6〜10になってますけど・・・。」
「評価の最低が6点最高が10点その間を0.25刻みで採点するんだ。それより用語の解説はいらないのか?」
「質問は後でと言われたので・・・。出来れば始める前に理解しておきたいなとは思っています。」
「謙虚だな。順に解説するぞ。フレグランス/アロマはどちらも香りだ。前者が粉の状態、後者が液体となった状態でのものをいう。フレーバーは味と香りを総合した印象、評点のほかに豆の個性を食べ物にたとえて表現して記入する。余韻は飲んだ後の舌や鼻腔に残る余韻の評価だ。酸味はわかるな。ボディはコクや口当たりをいうが、飲んだときの濃度や粘りを評価する。バランスはフレーバー・酸味・ボディの相対関係を分析する。どのようなバランスかを書き込んだほうが分かりやすいだろうな。ユニフォーミティは均質性、5つのカップでの差が出ているかを評価。クリーンカップは香味のクリーンさを評価する。スイートネスは文字通り甘さ。これぐらいでいいか?」
「一遍にいわれても・・・。なんとなく程度にしか分かりませんよ、大丈夫かなぁ?」
「いいさ、今回用意した2つの豆の違いを評価できれば良いとしよう。」
「そうですか?良かったぁ、こんなに細かく評価するなんて思わなかったんですよ。」
「今回、用紙の説明で終わるわけにはいかないから、さっさと進めるぞ。それじゃあ前回用意した"ブラジル「サンパウロ農園」"のカッピングから始めよう。1カップに8.25gの荒めに挽いた粉を均等に量り入れろ。」
「カップごとに差がないかも評価のひとつなんですね。この挽いた豆の香りがフレグランスですね。」
「それぞれのカップ全部をチェックしろよ。次にカップに150ccずつお湯を入れる。大体92〜6℃の温度がいいとされる。抽出時間は3〜5分、その間のアロマもチェックするように。」
「フレグランスとアロマは全然違うものですね。私は挽いた瞬間の香りが一番好きですね。」
「よし、3〜5分たったらスプーンで表面の粉を崩す。炭酸ガスと一緒に一気にアロマが広がるからチェックを忘れるな。」
「香りが徐々に変わっていきますね。普通に淹れていたんではこの変化はわかりませんでした。」
「スプーンを使って表面の泡(灰汁や油)を取り除き、珈琲をスプーンで掬ってすするように空気を含ませながら口の中全体に広げるようにして味と香りをチェックする。」
「結構忙しいですね。5つもあるとゆっくりしていたら最初と最後で印象が変わってしまいそうですね。でもこれだけの豆があったら一人分で3〜4杯淹れられますよ。」
「正式な手順で行ったからな。個人でやるならカップ数を減らしてユニフォーミティを問わないで評価してもいいと思うぞ。それより次の豆を準備してくれ。」
「これはどこの豆なんですか?」
「"パプアニューギニア「シグリ農園」"の07-08年産だ。先のブラジルと比較してもかまわんから評価してみろ。」
「後でマスターの評価も見せてくださいね。」

本日のまとめ
COEにおけるカッピングの意味

それぞれの地域から産出する豆を標準化された手法で格付けする。
各消費国から選抜された審査員が同じ基準で豆を評価することにより、生産側にもどのような品質の豆が消費国で求められているのかが分かる。

トレーサビリティの確立により良い豆を作った農園の名前が表に出る。
これまでは様々な農園の豆を混ぜて出荷していた。ここには一定以上の評価はなかった。しかし、カッピングで良い評価を得ることにより農園単位での高額取引が望めることを示し、ただ作るのではなく美味しいものを生産する意味を提示した。

自分が美味しいと思う珈琲とはどういうものなのかを数量的に比較するのも面白いと思います。たとえばまったく個性の違う豆であっても甘みの感じ方が近いと自分には好ましく感じるというように意外な結果が出るかもしれません。


posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは〜♪
まだパプアニューギニアのコーヒーありますか??

テイスティングする時ってトルコ式ですよね。
以前、比較のためにグァテマラとロブスタのテイスティングをした時、すすって香りを確かめて吐くのが意外と難しくて難儀した覚えがあります。
ペーパーより豆の個性が出やすいのかな??
Posted by 花咲もも at 2009年02月02日 15:24
★花咲もも さん

いらっしゃいませ、パプアニューギニアですね。
こちらは「ティピカ種」のマウントハーゲンになります。酸味とボディのバランスが良くマイルドな味わいをお楽しみください。

>テイスティングする時ってトルコ式ですよね。
えっと・・・、トルコ式のようには煮立てないんですよ。お湯に浸すだけ。

>ペーパーより豆の個性が出やすいのかな??
ペーパーで濾さない分オイルや雑味も残りますので、より豆本来の個性は際立つと思います。
フレンチ・プレスに近いでしょう。
Posted by 銕三郎 at 2009年02月02日 22:50
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