2007年07月10日

◆基礎編 1.計量 

始まりました「抽出講座」ですが、今回は珈琲は淹れません。
ミルの出番もありません。お湯すら不要です。
なにをするかと言うと、タイトルどおり計量です。ひたすら計量スプンと秤を使うのみです。
でも、これをわかっておいて頂かないと、後になって困ることになります。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「じゃあ、最初の講座から始めよう。」
「いきなり始めちゃうんですか?お湯とかまだ沸かしてないんですけど。」
「まず最初にそこの秤とってくれ。」
「無視ですか・・・コレですか?重いなあ。私、こんな体重計に乗るのはヤですよ。」
「何を持って来てるんだ。そこの小さな電子秤でいいんだ。せいぜい50gが量れればいいんだから。」
「なーんだ、コレですね。なにを量るんですか?」
「豆。今日のテーマは計量だ。」
「粉じゃないんですか?」
「普段から美味しい珈琲を飲みたいって考えているんなら、粉で保管はしてないだろ?挽いたら半日しかもたないんだぞ。」
「はあ。」
「だから豆を挽く前の段階で、粉になる時に失われるものも計算に入れて量るんだ。そのスプーンで1杯掬ってみろ。」
「こうですか?」
「そのまま秤の上にメジャースプーンごと載せて・・・ほら見てみろ。」
「ええっ?これで8gしかないの?」
「うちのミディアムローストの豆だと多分1杯山盛りでも12g位だから少し足らないんだ。」
「うちでは確か1杯分の粉は12gだったんじゃ・・・?」
「挽いた後ならな。シルバースキンや、破砕された微粉は不要だから除くし、ミル内にカスとして残ってしまう分もあるからな。豆のままで13〜14gあったほうがいい。」
「いちいち量るんですか〜?面倒〜。」
「計量はする癖をつけたほうがいいぞ。自分好みの味を見つけたとき再現がしやすくなる。また、豆を変えたときとか、いつもの豆が手に入らなかったときとか、基本に戻って計量から手順を確認したほうが早く新しい豆に慣れると思う。何度も量っているうちに感覚的にわかるようになるって。」
「家庭の主婦の皆さんは慣れるまでやってられませんよ。」
「美味しく珈琲を飲みたいんならこういうところの手間を惜しんじゃいけないんだよ。珈琲の抽出は繊細なんだ。たとえばミルが変わっただけでも味に影響が出る。そんな微妙な部分を解って貰おうって企画なのに、この講習の意味を無くす様な意見は挟むな。」
「ふぇ〜、ごめんなさい。」
「今回の講習会の意図は『基本の習得』にあるんだ。応用編になって淹れ方の違いによる味の変化を試そうにも、粉の量などの基本条件が変わっちまったら検証の意味がないだろ?」
「比較実証の基礎ですね。わかりました。とりあえずきちんと量ります。」
「ちゃんと守るように。ところで、ここで問題になるのが、一般家庭には2〜3杯用のドリッパーしかないって事だ。」
「あ、ご挨拶の回でも言ってましたね。1杯取りのドリッパーがなければ2〜3杯用でもいいよって。」
「実は2〜3杯用のドリッパーでは1杯だけ淹れるのは非常に難しい。大きさが違うだけじゃなく、落ちる速度も調整されているんだ。それならば基本の淹れ方は同じだから、最初から豆(粉)を2杯分使って2杯分落とせばいいんだ。ただし豆の計量は単純に2倍すればいいものじゃないがな。」
「えっ?2杯だから24gじゃないんですか?」
「ああ、2杯目、3杯目はともに10gずつ増やす。ドリッパーにはもう1段大きいのがありこれは4〜6杯用で、4杯目からは8gずつ増やしていく。」
「と言うことは目分量で12g・10g・8gを掬い分けられなきゃいけないってことですね。」
「正解。といっても、それは豆の種類ロースト具合でも変わってくるので一概には言えない。好みにもよるからな。この豆の量はうちの店で使っている豆に対しての俺のレシピ。数多く淹れて、好みのスタイルを見つけるしかない。」
「それじゃあ講座になんないんじゃ・・・?」
「だからそのための基本を作るための講座なんだよ。どんな豆、どんな器具であっても基本的な接し方を守ってもらえば基準点が作れる。土台がぶれないようにするのが目的なんだ。」
「と言うことは、今回のキモは『慣れるまで、豆の量は必ず計量しなさい』ってこと?」
「理解してくれたようだな。さあ、練習練習。先は長いぞ!」

今回のまとめ

 計量

・基本パターンを身につける。
    豆の種類・焙煎度・メッシュ(挽いた際の粉の粒の大きさ)、その上に
    使用重量を常に同じに保つことで淹れかたによる違いがはっきり解る。
・豆を正しく掬う感覚が身につくまでは必ず計量する。
    誤差はせいぜい±0.5gを目処に。

「マスタ〜、実際はこの『まとめ』だけ読めばいいと思うんですけど。」
「うるさい、それじゃあ味気ないだろ。文句言うな、しっかり練習しとけ!」



posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☀| Comment(15) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ぺこさんのご提案を頂き、用語を青・重要なフレーズを茶にしてみました。いかがでしたでしょう?

そのうち用語解説もしなきゃいけないかな?
考えておきます。
Posted by 銕三郎 at 2007年07月11日 00:37
えっとぉ、計量スプーン込みで13〜4gをとりあえず計ればいいんですかぁ?
スプーン抜き?
2杯分いれるんだから、24gくらい計るってことですよね?
う〜、いきなり落ちこぼれみたいだぁ。
Posted by アキラ at 2007年07月11日 20:25
★アキラ師匠

おめでとうございます。通算400コメント目です。しっかり疑問を解決するために紅茶でも煎れましょう。ご説明しますよ。
今日は「ディンブラ」、セイロン産のハイ・グロウン・ティーになります。

>計量スプーン込みで13〜4g・・・
スプーンによってはそれだけでも13〜4gになってしまいます。スプーンの分目盛を調整しておくと楽ですよ。

ミルの癖もありますので、次回の講座と合わせて練習してみる事が必要ですが、今回は「挽いた後の重量」が一定するように豆の時点で量れる様になっていただきたいんです。
常に一定の豆が掬えれば私のレシピにこだわる必要はありません。自分の基本を作ることが重要なんです。数字を出したのは目安があった方が練習がし易いかと考えてのことです。
正しく淹れられる様になった後、1g増やしたり減らしたりしてその豆の一番美味しく思える重量を探して行けばいいんですから。
Posted by 銕三郎 at 2007年07月11日 22:28
>「マスタ〜、実際はこの『まとめ』だけ読めばいいと思うんですけど。」

ぎゃはは!このツッコミにウケてしまいました。(笑)

あ、お久しぶりです。
先日ちょっとした事情がありまして、まっずーいコーヒーを何杯も立て続けに飲んでしまったので、まともな美味しいコーヒーが飲みたくて。。。

しかーし!ぎょええええ〜〜〜私には豆をいちいち量るなんてマメなマネはできましぇーん。「分量?テキトーに入れてみて、味見して美味しけりゃそれでいいのよ♪」などという典型的なO型に育てられた筋金入りのO型なんです(泣)。
几帳面なマスター!講座を読むだけは読ませていただきますので、破門しないでくださいね。こういう蘊蓄は聞いているだけでも楽しいものです。
Posted by ひそそか at 2007年07月13日 10:38
★ひそそか 様

さすがですね、狙ったように13日の金曜日にお越し下さるとは。三角尻尾の面目躍如ですね。

>ちょっとした事情
拝見いたしました。ああいったところのコーヒーは、私の愛する珈琲とは似ても似付かぬ物です。いくら御代わり自由でも何杯も飲むものではないと思います。ドリンクバーなら他にもお茶やお水があったでしょうに・・・。

>講座を読むだけは読ませていただきますので、破門しないでくださいね。
この講座では、チョッとしたことで味に影響の出る抽出技術なので、基本に対してはうるさい位に言っていきます。きちんと練習を重ねていただけば、お店で出しても恥ずかしくない程度の珈琲を淹れられるようにはなれると思います。

せっかく美味しい豆を手に入れても、美味しく淹れられなければもったいないじゃないですか。

破門なんて滅相もない。そんなことをしたら呪いのメールが毎日届くんでしょう?
Posted by 銕三郎 at 2007年07月13日 13:16
私、ドラ焼きとかタイ焼きとか、物の重さを予想して量るのが好きです!
豆かぁ・・。よし、訓練していっぱつで20g量れるようがんばります!
あ、本来の目的から逸れてる?(笑)
Posted by カブ子 at 2007年07月14日 13:59
★カブ子 様

ちゃんと練習していただけそうで安心しました。

>本来の目的から逸れてる?
いいえ、きちんと量れる事が目的なので常に一定の重量を量れれば結構です。

どら焼き・たい焼きを量ってどうするんでしょう?色々なお店のものを比較するんでしょうか?
Posted by 銕三郎 at 2007年07月14日 17:18
>量ってどうするんでしょう?
いえ、どうもしません(笑)
勘を磨くため!と言っていますがそれは表向き。別に意味はありません。
でも当たった時はうれしいんですよねー。
Posted by カブ子 at 2007年07月16日 15:37
★カブ子 様

>当たった時はうれしいんですよねー
とすると、デジタルの時計をふと見たときにゾロ目になっていてちょっと気分がいいのと同じ感覚でしょうね。

ちゃんと勘を磨いて(磨きすぎて無くさないで)くださいね。
Posted by 銕三郎 at 2007年07月16日 19:16
コーヒーメーカーに附属の計量スプーンを長年機嫌よく使っていたのですが、ある時コーヒー豆屋さんでその倍の容量のスプーンをもらってしまいました。半信半疑でそっちを使ってみたら、当然ながらそのほうがおいしかった(笑)。
計量スプーンってそんなにバラつきがあるもんなんですかね。それ以来、何を信じていいか分からなくなったのですが、自分の舌でベストを探したらいいんやということが、これ読んで分かりましたです。
Posted by 麒麟 at 2007年07月16日 22:12
★麒麟 様

ご利用の器具のレポートをありがとうございます。

>計量スプーンってそんなにバラつきがあるもんなんですかね
そうなんです。計量スプーンっていうのは一定量を量る道具なんですね。それでどの位が量れるかはスプーン次第ってところがあります。
いつも量っている粉がどの位の重さなのか1度量ってみておいてください。スプーン1杯の重量を知っておくと、私のお勧めの豆を試すときにも応用できると思います。
Posted by 銕三郎 at 2007年07月16日 23:36
>挽いたら半日しかもたないんだぞ
コーヒー屋さんで買ってくる量も、自分の消費ペースにあわせて、こまめに購入したほうが良い。

…ということですね。
ああ、300gがつ。と買って、冷凍保存しておりますよ。
(300g缶で売っているから。なんですけれどね。。。)
Posted by ぺこぽこ at 2007年07月27日 18:03
★ぺこぽこ 様

>300gがつ。と買って、冷凍保存しておりますよ。
冷凍保存は・・・解凍手順を間違えないでくださいね。いきなり常温解凍すると表面に析出してた水分を全部吸ってしまいますから。冷蔵保存で充分です。

出来れば自家焙煎しているお店でいつ焙煎されたものかわかる豆を購入した方がよいですよ。焙煎後も消費期限はありますからね。
Posted by 銕三郎 at 2007年07月27日 22:31
>冷蔵保存で充分です。
あ、そうでした。。。

んん??マスター。
使う分だけ冷蔵しておく(保存は冷凍)…ってのは、いいアイデアですか?
(なにしろ、がつっと300gなので、、、^-^;)
Posted by ぺこぽこ at 2007年07月30日 19:52
★ぺこぽこ 様

>使う分だけ冷蔵しておく(保存は冷凍)…
それでいいと思います。できれば淹れる15分前ぐらいには冷蔵庫から出して常温に戻しておいてくださいね。

但し、300gでしたら毎日2杯ずつ淹れれば2週間持たないんですよ。100gぐらいづつに分けて最初のを使い切ったら次を冷蔵庫に移すぐらいで充分だと思います。
Posted by 銕三郎 at 2007年07月30日 21:48
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