2007年09月06日

◆基礎編 5.まとめ

長らくおまたせしました。基礎編第5回をお届けします。
今回で基礎編は終了いたします。そのため今回はこれまでコメント欄などで頂いたご質問をご紹介し、理由などとともに再度ご説明していきたいと思います。
全部はご紹介できないかとは思いますが、再度振り返ってもう一度抽出の基本をおさらいしていただければ幸いです。
ただし、今回はちょっと長めです。カッパ記事での反動ですね。お覚悟を・・・。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「基礎編の5回目だな。やっと終わりか。」
「マスター、終わりじゃないですよぉ。この後応用編・番外編と予定されてますよ。」
「誰がそんな予定を・・・?」
「マスターが講習会の計画書をちっとも出さないから、オーナーからFAXで届いてます。」
「ああ・・・俺が壊れていく・・・。お気楽能天気な日々はどこへ・・・?」
「マスター、しっかりしてください。」
「ワタシハコワレタノデキョウハカエリマス。じゃっ。」
「ちょっと待てぃ。遊んでないでチャッチャと始める!!」
「怖ッ・・・。しょうがねえなぁ、始めるか。今回は復習として、コメント欄で頂いた質問を元に、解りにくかった所をすっきりさせようと言う趣旨でよかったな?」
「はい、質問があったってことは説明が足らなかったってことだって言ってたじゃないですか。」
「ああそうだな、じゃあお前、さっさと始めろ。」
「そ、そ、そんな。何でそう楽しようとするんですか?」
「ば〜か。お前の理解度も確認するんだよ。だからおまえの好きにしていいぞ。見ていてやるし、間違いの訂正はしてやる。」
「あ〜あ、そうですか。わかりました。やればいいんですね。オーナーに言いつけてやる・・・。」
「なんか言ったか?陰口は聞こえないように言うから陰口というんだぞ。」
「ふぇっ、何にも言ってません。じゃあ基礎編第5回を始めます。」
「よし、がんばってみろ!!骨は拾ってやるからな〜!」
「も〜お気楽なんだから。最初は『計量』に関してのご質問から始めましょう。大阪の麒麟さんより『計量スプンを変えたら急に美味しくなりました。こんなに差があるものなのですか?』といただきました。計量スプンは一定量を量るためのもので、量れる量は自分で確認しようというのが回答でしたよね、解説のマスターさん?」
「そうですね、焙煎度合いによっても・・・って野球放送の解説者か、俺は?勝手に深夜ラジオのDJ風に始めやがって、解説を俺にふったら意味がないだろう。」
「ノリツッコミありがとうございます。でも、マスターは好きにやっていいって言いましたよ。」
「あ、ああ。解説者として俺を引っ張り出すのは反則だ。足らないところの補足はしてやるから。」
「わかりました、先程の件はあれでよかったんですよね。」
「そうだな、自分が使っている器具の特性は自分が一番よく知っているはずだ。それを数量的に把握すればもっと楽になるぞ。」
「では次の質問です。静岡のアキラさん、東京のぺこぽこさん、またずっと以前から皆さんに頂きました『豆の寿命と保存法』についてですね。コメント欄では、寿命は『焙煎後豆なら2〜3週間、粉に挽いたら1日。保存には密封した上で冷凍が都合が良い』と説明がありました。豆と湿気・酸素との接触を断つためですが、気になったのは『焙煎後2日〜3週間』と賞味期限を説明していた点です。焙煎直後は何故駄目なんでしょう?私は焙煎した豆が冷えるのに1〜2日かかるんだろうと思っていましたが・・・。」
「バカもんが!疑問はその場で解決しとけ!焙煎という工程は熱により豆の内部に化学反応をさせるものだ。始まった化学反応は反応速度が速いものは焙煎中に終了するが、反応の遅いものは焙煎終了後も変化し続ける。それが落ち着くのが1〜2日後ということだ。焙煎が焦げ味をつけるだけと思っていたら大間違いだ。」
「ふぇっ、また怒られてしまいました。といってもいつものことですから気を取り直して次の質問に行きましょう。」
「おい、そんなんでいいのか?」
「どうせドジキャラですからいいんです。次は『抽出』からですね。静岡のアキラさんに頂いた『ドームがうまく形成できません』という質問からいきましょう。珈琲の抽出には4つの条件が揃わなければなりません。1.豆の鮮度 2.お湯の温度 3.お湯の量 4.粒の大きさ これらの条件が欠け落ちるとドーム形成がうまく行きません。実際、アイスコーヒーを淹れる為にフレンチローストの豆を細かく挽いたところ、私の技量ではドームのようには膨らみませんでした。」
「膨らまないのは技量のせいではないことを付け加えておく。一定水準より粉が細かくなると一粒辺りの表面積に滞留できるガスの量が減り、空気中に放出されてしまう分が増えるため、ドームのような形にならないだけだ。粉全体にお湯が回り蒸らすことができれば抽出に影響はない。大丈夫だ。」
「あっ、そうなんですか?腕が足らないと信じてました。ありがとうございます。」
「多少は膨らんでいたはずだ。それ以上は望めないんだよ。ドーム形成は見た目の問題だから、丁寧な蒸らしが行われれば粉の細かさによる違いは気にする必要はないよ。」
「わかりました。次に淹れるときはよく観察してみます。それから、東京のぺこぽこさんからも同様の質問を頂いていましたが、これは抽出器具の違いが影響していたようですね。ここの講習では『メリタ・カリタ系』のペーパーフィルターでの抽出を中心に演習を続けていますので『円錐ドリッパー』を使用する場合は若干違いがでると思います。では次の質問。『お湯の滴下はどのくらいの高さから?』と東京のひそそかさんから頂いていますね。マスターは『お湯を滴下した時、跳ね返って粉が暴れない高さ』とおっしゃっていましたが、これは1〜2投目のお話ですね。3投目以降は対流による攪拌も必要になるためケトルの湯口の位置を上げたほうがいいですね。ドリッパー内の水面全体にお湯を回すためにも少し高くしたほうがケトルのとり回しがしやすくなります。」
「ん?この後半の説明は第4回ではしてなかったな。説明自体は正しいが、どこで覚えてきたんだ?」
「えへへ、何度も練習しているうちにケトル位置を高くしたほうが後半は注ぎやすいことに気が付いたんです。注ぐ量のコントロールと、落下位置のコントロールに何度も失敗しちゃいましたよ。でも、そのおかげでフィルターに直接お湯があたるとどうなるかもわかりました。」
「行って学べか、失敗も糧になるからな。間違っていればチェックするから気にせず練習していいぞ。」
「うわっ、なんだか久しぶりに褒められたような気がする。褒められたんですよね、ね?」
「そんな細かいことを気にせず、次にいけ。」
「はぁ〜い。それでは最後の質問・・・というかマスターの説明に納得されたご意見といった方が正確ですね。『絞り』に関してです。このときのマスターの説明には皆さん実際に淹れる際に実践してみてその違いに納得されたようでした。お湯がドリッパーの中に残っているままでサーバーの上から外す、ただそれだけのことで珈琲の味が劇的に変わる。このことを実感された方は多かったと思います。雑味の無いすっきりした口当たりには、私も自分で淹れたとは思えず驚いてしまいました。」
「俺としては普通にいらんもんは捨てる、必要なものだけを残すっていう単純なことを続けてきただけだがな。」
「そうですね。仕入れた豆をチェックして不良な豆をこまめに取り除いたり、挽いたときにでる微粉の量をチェックしたり、徹底して不要なものを除いていく姿勢は頭が下がります。ついでに体に必要ない『脂肪』とか『ニコチン』なんかも取り除いてみては・・・」
「その前にお前を取り除くのが先になりそうだな。こないだの女優さん、物腰が柔らかくってこの店のイメージにぴったりだったぞ。」
「ま、待って。いやぁ〜っ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・。」
「あ〜あ、折角最近よく頑張っているってオーナーに報告しようと思ってたんだがな。残念だな・・・。」
「いえ、これからも頑張りますから、クビはいや〜〜〜っ!!」

本日のまとめ

・口は災いの元

他の詳細は各回の『まとめ』を参照してください


「おい、こんなんでほんとにいいのか?」
「『まとめ』はこれまできちんとしてきましたし、今回は異常に長くなっていますからこんなもんでも文句は出ないと思いますよ。随分とお待たせしてしまいましたし。」
「やっと基礎編終了か、みんなついてきてるんだよな?」
「ちゃんと確認しながら淹れてる方はいらっしゃいますよ。気にせず応用編に進みましょう。ほら、Home-Designさんからのコメントに喜んでたじゃないですか。」
「まあ、俺が教えられるのってこれぐらいだからな。もう少し頑張ってみるか。」

posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 🌁| Comment(17) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やた! 1ゲッチュウ♪
ついに呪いが解けましたね。 (^o^)

>一定水準より粉が細かくなると一粒辺りの表面積に滞留できるガスの量が減り、空気中に放出されてしまう分が増えるため、ドームのような形にならないだけだ。・・・
ドーム形成は見た目の問題だから、丁寧な蒸らしが行われれば粉の細かさによる違いは気にする必要はないよ。
<
なるほど〜。
挽きが細かい方がドームが出来やすい気が勝手にしていました。
早速、今までより若干粗い挽きにして今日は淹れてみましたよ♪
確かにドームの出来はよかったです。 (^o^)
ドームが出来た方が、どうしてもちゃんと淹れたような気になっちゃうんですよね。

しかし、「絞り」をあいまいにせず湯量が豊富なうちにサッと取り除くと、コーヒーがすごく透明感を持つんですよねぇ。
より美味しいコーヒーが飲めるようになって嬉しいです。
マスター、ありがとう!

あ、ホットカフェオレでお願いします。
Posted by アキラ at 2007年09月06日 22:23
★アキラ師匠

いらっしゃいませ。はい、カラーガイドで測ったカフェオレです。ナンテ・・・ネ。

メッシュが細かい場合は表面全体に均等にコロイド状の層が広がる感じになっていたと思います。また、粗い場合はお湯を保持できずに滴下しながら、泡は表面から放出されていると思います。ドームになるのは中〜中粗挽きの粉に限られるかと思います。

ここからは、いかに自分の好みの味に仕上げるかがポイントになります。
挽き方・淹れ方により様々に変化する味を楽しみながら、気に入る味を探してみて下さい。

豆は焙煎度によっても様相を変えていきます。同じ豆を焙煎度を変えてそれぞれの味を比較するのも楽しいと思います。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月07日 10:14
わぁ、こんな長い記事3回も消えてしまったんですか?!いやぁ、大変でしたねー。

私胃の具合が悪くてしばらくコーヒーは飲めなくなってしまいました。ぐすん。最近はホットミルク専門のお子ちゃまです。
Posted by minira at 2007年09月09日 03:43
★minira 様

いらっしゃいませ。お体は大事にしてください。ホットミルクにバニラエッセンスを1ダッシュしておきました。どうぞごゆっくりしていってください。

この記事も幾つかの内容を削っているんでもうちょっと長かったかと思います。
書き直すと以前と同じ会話にはならないんですよね。いつの間にか違う方向に話が進んでしまうんです。そのときの私の気分がかなり影響しているんだと思います。
こんな大変な回はもうやらないでしょうね。応用編は特にまとめる必要は無いと思ってますから。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月09日 22:34
カフェインレスのコーヒーは胃に優しいんですか?そして美味しいの?

こちらではそういうコーヒーをディカフェネイトと言っていて、スーパーででも売っているのですが、今一美味しいのかどうか判らないし、邪道なような気がして、わざわざ買う気がしないのです。
Posted by minira at 2007年09月10日 00:23
★minira 様

>カフェインレスのコーヒーは・・・
以前にんじんさんが胃腸を壊された際、「カフェインフリー・オイルフリー」の生活を余儀なくされたとお聞きしたので、カフェインレスコーヒーなら香りと雰囲気は味わえるんじゃないかと思った次第です。
刺激物であるカフェインを摂取しないことは胃腸の回復の一助にはなると思います。
ただし、味は保障の限りではありません。邪道・・・正当な評価だと思います。大雑把な超大国の考える一手段ですから、味は2の次と考えてもいいかと思いますよ。
私のような「珈琲がなければ夜も日も明けぬ」という症候群の方のための代用珈琲と思っていただくほうが無難かもしれません。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月10日 09:47
>本当に胃に悪いのは、コーヒーが冷めてできる酸化物
ぎょ!囁きに反応してしまいました。実は毎朝ムッシュがでっかいカップいっぱいにコーヒーを淹れてくれるんです。すぐに飲みきれないので、ムッシュを送り出してひとくち、洗い物を済ませてひとくち、洗濯を干してひとくち・・・とちびちび飲んでいました。がーん!!
明日から熱いうちに飲みきるようにします!!
Posted by ひそそか at 2007年09月10日 17:53
★ひそそか 様

いらっしゃいませ。お熱い所を見せ付けていただきありがとうございます。優しい旦那さんですね。

医学的には確証されているわけではありませんが、経験的にそう感じています。
喉を通るときの嫌なエグ味、飲んだ後の不快感。あまり体にいいものを飲んでいるとは思えません。(この際良薬・・・の格言は出しっこなし)

若し一遍に多く淹れなければならないようでしたら、なるべく蒸発を避けるような状態でホットプレートの上にサーバーごと置いて保温してください。煮詰めなければ大丈夫です。
それでも、味は落ちていきますから、できればその場で飲む分だけ淹れるほうが良いですよ。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月10日 22:31
わはははー!「ブーメラン ブーメラン♪」て・・・>右サイドバー
そうそう、きっと戻ってきますよね。
Posted by ひそそか at 2007年09月10日 23:18
★ひそそか 様

お気づき頂きありがとうござんす。
あれこれ試して、これが一番しっくり来ました。
でも、メジャーな歌ではなかなかいいのが無かったんですよ。これを笑っていただけるのは同世代の方ぐらいでしょうからね。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月10日 23:47
「ブーメラン ブーメラン♪」って何?と思って今ごろ気づきました(遅)。メッセージありがとうございます。
小技が光ってますね!
Posted by 麒麟 at 2007年09月12日 06:49
>ドームになるのは中〜中粗挽きの粉に限られるかと思います。
挽き方・淹れ方により様々に変化する味を楽しみながら・・・・
豆は焙煎度によっても様相を変えていきます。・・・
<
なるほど、コーヒーの淹れ方も「これっきゃない!」というものがあるわけではなく、豆の具合や湯温や、気温や湿度や・・といったいろんなことで条件づけられて、そのときの一番いいであろう塩梅が成り立つんですね。
整体と似てるな〜、と思いました。

そうそう、あともう一つ、マスターに教わって決定的だったのは、微粉を捨てること。 (^o^)
貧乏根性で、微粉も集めて粉の中に戻してましたから、これを太っ腹に取り除くようになってから、味が格段に変わった気がします。
今までナニやってたんだか・・って感じでした。
Posted by アキラ at 2007年09月12日 10:32
いけね、Safariで開いてたんで、ささやくの忘れちゃいました。 (^o^)
Posted by アキラ at 2007年09月12日 10:42
★麒麟 様

いらっしゃいませ。常連さんは定期的にいらっしゃってこそ常連ですからね。休暇中といえど巡回は欠かさないでくださいね。

麒麟さんと同世代ではないでしょうね。お写真を拝見するに、ひょっとして私の妹よりお若いんではないでしょうか?

しっかりとすべきことをして、余裕ができたら戻ってきてくださいね。蟲と駄洒落、出力したいものをじっと溜め込んでおいてください。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月12日 21:46
★アキラ師匠

お帰りなさい。

>そのときの一番いいであろう塩梅が成り立つんですね。
それを見極めるのが難しいんです。
挽いた直後の粉の湿気。気温。湯の状態。全てが珈琲の送ってくるサインです。それを感覚的に経験則にのっとって総合判断していくわけです。
開店前の一杯の珈琲にはそんな意味もあるんです。

日本酒も原料の米粒の半分近くを削り取って醸造されますよね。美味しいものを口にするのは「もったいない」は禁物なんです。使えるけどそれが曇りの原因になってしまうんですね。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月12日 21:59
私も『最後まで落としきらない』を実行したところ、すごく美味しいコーヒーになりました。

一工夫で味まで変わるのですから、知っていると知らないとでは、ぜんぜん違いますね。
また、紙ドリッパーなのに円錐ドリッパーと、普通(?)のカリタなどのコーヒーと違う事にも、ここで気づきましたよ。
ありがとうございます♪

で、いつか円錐ドリップ特集もしてくださいね♪
ながーくまってまーす♪♪

Posted by ぺこぽこ at 2007年09月20日 17:24
★ぺこぽこ 様

>一工夫で味まで変わるのですから・・・
本当は、一挙動全てが味に影響します。そのため全く同じものの再現は無理と考えています。
心理状態や体調でも味がぶれますから、いかにぶれ幅を小さくするか、と考えるしかないのが現状です。
これを実現するための方策として、これまでの基礎編だったわけです。

自分の好みの味の珈琲を淹れる。そのためには自分流のスタイルが必要です。
勝手にやっていてもそのうち見つかると思いますが、再現性の低い方法より、理論的にテストを繰り返すほうが確実性があると思います。

この後の応用編ではどの味を引き出すかを中心に研修を進めていきます。円錐ドリッパーでは多少勝手が違うとは思いますが基本理論は同様なのでテストを繰り返してみてください。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月21日 10:40
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