2007年09月14日

◇レジ脇のスペース

秋の長雨がひと段落したある日。
夕暮れというより夜に至り商店街の人の流れもまばらになっている。
常連の女性がいつものように多くの荷物を抱えて、いつもよりずっと遅い時間に店にはいっていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「マスター、お願いがあるんですけど・・・。」
「ん?お前のお願いは金じゃぁないな。何だ?」
「まさか。あの子達と違いますよ。ここで委託販売ってお願いできますか?」
「まあ、器具の物販もやってるから構わないが、俺が認められないものはお断りだ。以前に香水のサンプルを置かせてくれって来たやつがいたが、珈琲が香りも楽しむものって気が付かないような馬鹿にはとっととお帰りいただいた。」
「アクセサリーですよ、私の手作りの。ネットでも少しづつ売ってたんですけど、アクセサリーってやっぱり実物を見て、手にとって見たいじゃないですか。」
「そんなもんなのか?俺は買ったことがないんでわからんなぁ。ましてネットショッピングなんて信用してないから物を買ったことはない。」
「まあ、マスターのネットショッピングに対する意見はこっちにおいといて下さい。実際私自身もネットで見ていて、写真とコメントだけだと自分がそれを着けてるところがイメージし辛いんですよね。」
「それで実物が手に取れるよう現実のお店に置きたいってわけだな。まあお前の意向はわかった。」
「どうでしょう、許可をいただけますか?」
「専門の店って選択肢もあったんじゃないか?そういう所の方が管理にしろ、集客にしろうちよりは確かじゃないか?」
「そうなんですけど・・・委託料がバカになんないんですよ。それを商品売価に乗せちゃったら、まだまだネームバリューのない私の作品なんて買ってみようって気になれないですよ。」
「それで、うちか。なるほどな。多分俺なら委託料は取らないだろうってんだろ。いいだろう、ただし条件をつけるぞ。」
「ちょっと待ってください、メモしますから。譲れないものがあればあきらめます。」
「そんなに難しく考えなくてもいいよ。普通に考えれば当たり前のことばかりだ。」
「マスターの普通ってとんでもなかったり・・・あわわ。」
「余計なことは言わないほうが条件は良くなると思うが?」
「はい、心してうかがいます。」
「じゃ。
 その1、この店の雰囲気を壊さないものしか置かない。
 その2、高価なものを置かない。
 その3、展示用具は自前。
 その4、商品の管理のため、週に何度かの来店。
 その5、全てに値札をつける。
 その6、店側は商品説明はしない。
 その7、在庫状況を把握できるように委託商品の一覧表を準備。
 その8、お前の連絡先の確認。
 その9、通常の営業の邪魔になるようなら委託販売取りやめ。
 その10、この店の紹介には電話番号は載せない。
こんなところかな。」
「ああ良かった、いたって普通ですね。もっと大変な条件が出てくるんじゃないかとヒヤヒヤしました。」
「俺は常識人だっつうの。問題になるような点はないか?」
「いくつかを『何故』って伺ってもいいですか?」
「ああ、そんな反応があるのは予想している。4と7と10だろ?」
「ええ、でも4は問題ないです。毎晩来てるんですから。でも7は6の条件に抵触しませんか?」
「いや、あると思って来た人が無いとわかって残念がるのは忍びないんだ。一点物か在庫として残があるのか位は聞かれたら答えるのが、預かっている側の勤めだろうと思ってな。おせっかいかもしれんが。」
「やっぱりマスターにお願いしてよかったと思います。突然こんなお願いをしても、こうしてちゃんとお客さんのことまで考えてくださるんですもの。」
「自分に照らしてみただけさ。在庫切れの際、次回入荷がわかると安心できるだろ?ただそれだけさ。」
「やっぱり優しいんだな、マスターは・・・。それより10なんですけど、やっぱりお邪魔でしょうか?」
「電話に人手を割くわけにはいかないからな。済まんがこれは守ってくれ。それと、この店の紹介部分は事前チェックするからな。この店のHPは無いから、リンク張ってお終いにはできないから、ちゃんと気合入れて書けよ。」
「そう言われると思って、準備してきました。展示ケースも持ってきたんで預かっておいてください。はい、原稿。WEBページではこんな感じに表示されます。」
「ふ〜ん、準備がいいな。・・・ああっ、いつの間にこんな写真を?なんだこのコメント・・・。『優しい』マスターはやめてくれ。一見さんは絶対そうは思わないし、店の常連のガキどもには笑われる・・・。」
本日のメニュー

 ソルティ・キャラメル・ラテ  @Tully's Coffee
 

本文に関係なく登場させてしまいます。今しか紹介できるときが無いでしょう。
実は、発売以来飲もうかどうしようかとずっと迷っているんです。
塩味のキャラメルフレーバーですよ!
季節限定なんで今を逃せばもう飲めないかもしれません。
でもな〜塩味ですよ・・・
まだしばらくは迷っていることと思います。
体験された方、情報求む!

9/18 追記
せっかくコメント欄で皆さんに後押しされたので飲んできました。
元の「キャラメル・ラテ」も飲んだことが無かったので比較はできませんが、不味い物ではありませんでした。どちらかというとエスプレッソ・アイスの酸味を隠してくれるので飲み易くはなっていました。

posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☀| Comment(19) | TrackBack(0) | 珈琲症候群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
塩キャラメルって、今ブームみたいですよ。
伊勢丹のアンリ・ルルーのがウメェ!!
数年前に話題になった塩アイスも、今や定着した感がありますからね。
ソルティ・キャラメル・ラテも悪くないですってー。
キャラメルに塩、アイスに塩、もちろんスイカにも塩!!

行きつけの美容院、花屋さん、喫茶店、あげくは飲み屋にまで、“近所の奥さん”が作ったビーズアクセサリーが置いてあった時期がありました。私もちょっと食指が動いたけど出来なかったなー。プロじゃないし…。あげるのは好きだけど売るのが苦手なのだ。(でもお金は好き♪)
Posted by ひそそか at 2007年09月14日 14:45
★ひそそか 様

いらっしゃいませ。アイスコーヒーにガムシロの替わりに塩水を入れて・・・と、さあどうぞ。

そういえば「Lawson」のカウンターでもチロルチョコの「塩チョコ」を見かけましたよ。はやっているんですね。リンク先のキャラメル売れてるんですか・・・。どちらかというと先日のキャラメルの方が美味しそうです。

今はネット上で、オークションや店舗を持つことが簡単にできて、素人(悪い意味じゃないんですよ)作家さんでも自分の作品を販売することの敷居が低くなりました。
玉石混交ではありますが、そんな中から素敵なものを作る作家さんが世に出てこればいいと思っています。

身近な方をモチーフに頂いたシリーズ第2弾です。創作のきっかけだけですけどね。
さて第1弾は・・・?
Posted by 銕三郎 at 2007年09月14日 20:31
はっ、思い出したー!!Σ( ̄□ ̄;)!!
私、高校生の時に塩入りコーヒー飲んだことがあります。
喫茶店のシュガーポットに何者かが悪戯したらしいんですよ。
グラニュー糖だとばかり思ってスプーン2杯入れました。
マ、マズーーーーーー!!!!!

あれ以来、コーヒーはブラックです。
Posted by ひそそか at 2007年09月15日 12:06
はっ、もうひとつ思い出したー!Σ( ̄□ ̄;)!!
今年に入ってからですが、エ○セルシ○ールでエスプレッソに粉チーズをふりかけてしまいました。だってス○バの砂糖入れと同じ容器に入ってたんだもの。
思い込みとは怖ろしいモノで「なんで油が浮いてるんだ?」と思いつつ強引にかき混ぜて飲んでしまいました。
マ、マズーーーーーー!!!!!

エスプレッソにブラウンシュガーを落として飲むのは好きなのです。
Posted by ひそそか at 2007年09月15日 12:10
1ゲッチュウのひそ姐のコメント読んでて、分かっちゃった!
橋本治の清少納言って、すっごいひそそかちゃんっぽいんだ!! (^o^)

>(でもお金は好き♪)
なんて、もうモロよねぇって感じでぇ。。

コーヒーの本場エチオピアでは、コーヒーにはお塩かバターかを入れて飲むんだそうですよ。
真夏のバテっぽい時期に飲む、ちょっぴりの塩を入れたコーヒーは、それはそれで美味いっすよ。
僕、たまにやります。
体にやる気と力が出る感じぃ♪
Posted by アキラ at 2007年09月16日 10:18
コメントが遅くなって済みません。
ちょっと田舎に行って来たもので、ネット環境から遠ざかっていました。
主人不在でも営業できるこのお店はとっても便利ですね。(リアルな喫茶店ではそんなわけにいかないよ〜)

では頂いたコメントにまとめてレスです。

★ひそそか 様

ひそそっかい爆発コメントありがとうございます。
>スプーン2杯入れました。
確かにそこまで塩味が強くなると飲めませんね。悪戯にも程があります。
私の店では中のみえないシュガーポットは危険なので使わないようにはしていました。
>粉チーズ
バターを溶かすアレンジコーヒーはありますが、粉チーズはちょっと考えてしまいます。美味しくなかったですか・・・。では、試すのは止めにします。
しかし、匂いでわかりませんか、普通・・・。

エスプレッソにはブラウンシュガーもいいですが、ザラメも相性がよいようです。お試しあれ。間違ってもブロックチーズは入れぬよう・・・。

★アキラ師匠

いらっしゃいませ、上記バター入り珈琲カフェ・ブールをどうぞ。バターの強くない塩味と濃厚な味わいが疲れた体にはいいようです。
多分、発汗が多いかの地では塩分補給も重要なことであったのでしょう。そこで塩やバターを珈琲にも混ぜていたんではないかと思います。ミネラルの補給は重要ですもんね。

ひそ姐=清少納言
ウワー、またまたあねさんが「ひそそか道」をまっしぐらに進んでいっちゃいそうなご意見ですね。でも、(でもお金は好き♪)の部分は私も大好きです。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月16日 22:43
塩をちょっぴり入れると甘さがいっそう引き立つから、バタースカッチ風味のお菓子なんかも塩味が少し入ってると思うのです。バターもトーストには無塩でないほうを使うし、甘味と塩、脂と塩って相性いいんやと思います。塩コーヒーやキャラメルラテも、塩はちょっぴりかな?咽がかわくほど塩味だったらイヤですね〜。
Posted by 青グリン at 2007年09月17日 10:07
★青グリン 様

いらっしゃいませ。塩味の珈琲の賛同者がこれほどとは思っても見ませんでした。

塩梅といい塩加減は重要ですね。海水ほどの塩分濃度では逆に喉が渇いてしまいますが、仄かな塩分は甘味をより一層感じさせてくれますね。餡も塩加減が大事と聞きます。

やっぱり珍しいものは試してみないことには話になりませんね。気になるものは味わってみるようにします。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月17日 11:43
>委託販売
そのうちエスカレートしてキルティングの巾着とか着ぐるみとか置くようになったりして・・。いいえ、なりませんよね。ならないでくださいね〜。

塩を使った甘いものといえば、私は新鶴の塩羊羹です。
Posted by カブ子 at 2007年09月18日 10:14
★カブ子 様

いらっしゃいませ。塩プリンをどうぞ。

>着ぐるみ
レジ脇のスペースには置けませんって。
そういえば、今朝のニュースで、大リーグの松阪君が新人歓迎のイベントで「テレタビーズ」の着ぐるみを着せられていましたね。黄緑色の着ぐるみを着た彼は嬉しそうに微笑んでいました。
アメリカ人のすることは訳がわからん。
写真があったのでリンクを追記
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070918-00000014-ykf-spo

つい先ほど、昼休みに飲んできたので感想を追記しました。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月18日 14:19
久し振りに来たのに全然本筋と関係ないところに反応してしまいます。

塩プリンと青グリンって似てますよね。
Posted by yas at 2007年09月18日 18:02
>塩プリンと青グリン
ほんとだ!

青プリンでコメント書かれていても解りません!!(笑)
Posted by ぺこぽこ at 2007年09月18日 18:29
★yas 様 & ぺこぽこ 様

いらっしゃいませ。お冷の代わりに枡酒と盛り塩をお出ししてっと。

お二人揃って塩プリンに反応ですか・・・。何気に書いた部分に反応されるとレスの焦点を合わせづらいなぁ〜。

>青プリンでコメント書かれていても・・・
確かに色合いによっては気付かずスルーしてしまいそうですね。

あ、グリンさんの頭から湯気が上がってます。きっ、って怒られそうですよ。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月18日 21:21
この話を読んだときに、昔常連だったバーを思い出しました。
『隠れ家』を自認していらっしゃるマスターがやっているお店で、凄く雰囲気がいいのですが、どこにも広告を出さないお店です。

そこに『自家製のパン』を持ち込んだ人がいたのです。
『マスターの10箇条』そのまんま。(笑)
特に10番目の『この店の紹介には電話番号は載せない』これは『メディアに露出しない』という方針だったのですが。

地元のデザイナーさんが集まるお店で、中には媒体に紹介したい人もいて。
そんなときは『所在地は秘密』として、掲載されていました。

いやー、懐かしいです。。。
Posted by ぺこぽこ at 2007年09月20日 17:30
★ぺこぽこ 様

>昔常連だったバーを思い出しました。
そのときまでに『お店』を磨き上げてきたお客様を大切にしたいマスターなんでしょうね。
一度メディアに露出してしまうと、新しいお客によりお店が荒れることを良く知っているマスターなんですね。それがお店を育ててくれた既存のお客様にいらない迷惑をかけることになってしまわないかを心配するんです。

『隠れ家』の様な規模のお店は、マスターの方向性もありますが大方はそこに集うお客が店の雰囲気を作っていきます。マスターとしては、せっかく出来上がったお店のカラーは変えられたくないものですよ。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月21日 11:27
えっと、話を元の「塩入り」に戻してっと♪
ウソです。 (^o^)

なんか「隠れ家」のこういう話、参考になりますねぇ。
僕も自営業なわけで、僕の業界もいろいろなやりようというのがあるわけで。
うちの師匠はけっこう派手好きみたいなんですが、僕はどっちかというとやっぱり「隠れ家」派だなあ、とコメントを読んでて思いました。

今まで通りでやっていこうと思いました。
マスター、ぺこさん、いい話 ありがとう♪
Posted by アキラ at 2007年09月21日 11:52
★アキラ師匠

>「隠れ家」派だなあ
師匠のところ(リアルですよ)はできれば「道場」のようであって欲しいな。厳しい師匠についてこられない弟子は足が遠のくみたいな。

「隠れ家」はお客にも襟を正すことを要求しますし、同伴客にも同様です。そしてその空気を楽しみます。
しかし、崩壊は早い。なじむこと拒否する輩が居座ればそれまで。その場(の空気)を愛した方から潮が引くように消えてゆきます。
残るのは店にしがみつく主人のみ。

ブログの世界にも似てますね。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月21日 14:53
すごいですね、マスター。
>『お店』を磨き上げてきたお客様を大切にしたい
一度メディアに露出してしまうと、新しいお客により〜既存のお客様にいらない迷惑をかけることになってしまわないかを心配

このまんまを仰っていましたよ。
そして、『そこに集うお客が店の雰囲気を作っていきます』とも。

元は麻布のウエイティングバーでコックをされていた方だそうです。
カウンターが7席くらい、テーブルが1つ。
こじんまりしたお店なのですが、本当に雰囲気が良くて。。。

知らない人がふらりと言っても、穏やかに飲んで帰ってこれるお店でした。

Posted by ぺこぽこ at 2007年09月21日 15:31
★ぺこぽこ 様

>このまんまを仰っていましたよ。
商売っ気のない、お客様とお店が大好きなご店主さんなら多分同じことをおっしゃると思います。

お客様に気持ちよく過ごしていただくのが一番で、そんなお店を愛してくれるお客様が集えばいい。ペイするのがギリギリでも、そんなお店が理想です。
Posted by 銕三郎 at 2007年09月25日 09:18
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