2008年04月13日

◆応用編 6.アイスコーヒー

毎度お越し頂きありがとうございます。
応用編は「まとめ」で終了し、番外編が既に始まっているのにまた「応用編」と思われていることと思います。申し訳ありません、「基礎編」・「応用編」を通してアイスコーヒーを考慮に入れるのを忘れていました。
多少触れることはあってもきちんとした説明はしていなかったと思いますので、今回はしっかりやっていきたいと思います。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「マスター、今日はアイスですって?暖かくなってきて丁度良かったですね。」
「ああ、コートなんぞ着ていると汗がにじんでくるな。電車の中は蒸し熱くなってきてるだろう?」
「アイスコーヒーですけれど、以前に淹れて頂いた時、あまり詳しく説明がありませんでしたよね。」
「ああ、あの時は味見のためだけだったからな。その後も寒い時期だったんでアイスを淹れる機会がないままだったな。それでは今日1回で完璧に覚えてもらおう。」
「ええっ?今回だけで覚えろって無理ですよぉ〜。でも、自宅練習するにしても氷が問題になりますね。そうかぁ〜、隠れて自主トレは無理なんだ。わかりました、気合入れて覚えます。」
「やる気は出たようだな。前に一度応用編の3で淹れて見せたことがあったな。それを思い出して淹れてみろ。」
「そうでしたっけ・・・。えっと、豆の量は変わらないはずですよね。ああっ、これじゃない!フレンチローストね。メッシュをずっと細かくしてっと、これでいいわね。それで・・・あの時マスターはガラスのメジャーカップを使っていたわ。」
「よく覚えていたな。うちの場合は濃く落として、氷で一気に冷やすんだ。その際に氷が溶けた分でちょうどよくなるから、氷を溶かす分を見込んで抽出する。1杯分約50ccでいいんだ。」
「では、2杯分で100ccを滴下すればいいんですね。じゃあやってみます。」
「じっくり落とせ。でないとコクも何にもない薄っぺらなコーヒー液になっちまうからな。」
「湯面をあまり上げないで・・・と、こんなもんですか?」
「充分だ。一応50ccづつに分けておけ。片方には加糖するからな。できたらアイスグラスに氷をいっぱいに入れて1度水を通せ。」
「はい、でもなんで氷を洗うんですか?それだけでも溶けちゃいますよ?」
「ストッカーは開け閉めするだろう?その間に埃やごみだって入らないとは限らない。グラスに入れて1度水を通せばそんなものは洗い流せる。追加する分も洗っておけよ。」
「なるほど、カウンターの中は珈琲豆の微粉なんかがいっぱい飛び交ってますよね。グラスの用意ができたら注いでいいんですか?」
「バースプンでかき混ぜながらな。あまりかき混ぜすぎると薄まっちまうぞ。できたらグラスの汗をふき取って完成だ。とりあえず味見をしよう。その間に加糖のやつも作っておけ。グラニュー糖を入れて溶かしてから氷の上から注げばいいからな。」
「はい・・・どうですか?出来のほうは・・・。」
「ん?まだ薄い感じがあるな。冷やすためにかき混ぜすぎなんだろうが、豆の量も少し足りないはずだ。」
「えっ?通常通りではいけなかったんですか?」
「細かく挽くとな、ミル内に残る分が増えるんだ。しかし、ミルを叩いて粉を出すわけにはいかないよな。だから最初から多めに計って挽くようにしたほうがいい。」
「そっか〜、フレンチローストだから軽い上に細かく挽いていてるんで微粉と同じように静電気に捕まっちゃうんですね。あと、この店ではってことでしたが、他の入れ方もあるんですか?」
「ああ、昔から喫茶店では作り置きをして冷蔵庫に入れているな。また、スタンドタイプの系列店でも同様だ。一気に2〜30杯分を淹れて、冷ましてから冷蔵庫に保管する。この方法だと氷の使用量は半分で済むし、提供するのに手間が要らない。」
「そのほうが楽じゃないですか。問題は味?」
「当たり前だ。専門店と言いながら、誰でも提供できる味にしてどうする。挽きたて・淹れたてが一番うまいんだ。作り置いて酸化した珈琲は絶対に出さんぞ。簡単に安定した味が欲しいんならコーヒーマシンを1台入れれば済むことだ。なんならお前の変わりに導入しようか?」
「や、やぶへび・・・?すみません、きちんと修行しますからクビは勘弁してください。」
「おお、それはよかった。機械の調節を毎日続けることになるかとちょっとあせったよ。そんなことに通じるより自分の感覚を磨いたほうがずっと役に立つからな。」
「マスター、ひょっとして遊び相手が欲しいんですか?」
「まあな。仕事は楽しくやらなきゃ続かないぞ。」
「楽しんでるのはマスターだけでしょ。私は下手なこと言ってマスターの機嫌を損ねて仕事を失うことになったらって冷や冷やしてるんですから。」
「今お前をクビにしたら、四方八方から非難が来て大変なことになる。俺の仕事もきつくなるしな。安心していいぞ、オーナーはお前の味方だ。俺がいくら言おうがそれはないよ。俺の方が危ないような気がする今日この頃だ。」
「まさか〜。これ以上からかわないでください。アイスコーヒーの抽出、もう少し練習しますね。ちゃんと味見してくださいよ。」

 
本日のまとめ

・アイスでも基本は同じ
 焙煎度を高く、メッシュを細かく、抽出時間を長くすることで濃いコーヒー液を得る。
 メッシュが細かいとドームはできないが蒸らしは十分行う。
・グラス一杯の氷で一気に冷やす。
 一気に冷やすことで酸化を防止する。また濁りのないアイスコーヒーとなる。
・加糖する場合は冷却前に行う。
 ガムシロップを後で入れるより味がなじむ。
 アイスのアレンジコーヒーは冷却後で加工する。

posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☀| Comment(10) | TrackBack(0) | 珈琲抽出研修会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こちらはまだまだ寒くて寒くて、アイスコーヒーを飲んだら全身鳥肌が立ちそうです。
ああ、早くアイスコーヒーが飲めるような暖かい日になるといいなぁ。
Posted by minira at 2008年04月13日 03:28
★minira さん

いらっしゃいませ。モカ・ジャバで温まってください。フレンチローストのコーヒーにチョコレートを溶かします。記念の800コメント目です。

今日の東京も冷たい雨が降り寒さが戻ってしまいました。
暑い日差しの中、喉越しの良いアイスコーヒーをがぶ飲みできる季節はまだ先ですね。
Posted by 銕三郎 at 2008年04月13日 19:05
こんにちは、マスター。
今日はモカを下さい。
暖かくなったら、アイスコーヒーが中心になっちゃって、じっくり香りを楽しむホットからは遠のいてしまいそうです。

夏の喫茶店は戦場ですよね。
まだまだ肌寒い日が続きますが、夏に向けて腕を磨かなくては・・・。
Posted by 花咲もも at 2008年04月14日 12:38
コーヒーマシンでも毎日機械の調整は必要なんですか。奥が深いなあ。
アイスコーヒーって家で美味しく淹れるのは難しい〜。今年はこれ読んで自分でやってみようかな。

おねいさん、頑張り屋さんですね。マスターの自虐的なところも好きです。
Posted by ひより at 2008年04月14日 17:36
★花咲もも さん

いらっしゃいませ。今日はモカでよろしかったんですか?寒い日が続きますね。

夏場のカウンターの中は水分補給が急務になりますね。常にお湯を沸かしっぱなしのこの店は、高温高湿度の地獄となってしまいます。
休憩でフロアに出ると天国かと思いますよ。
Posted by 銕三郎 at 2008年04月14日 23:02
★ひより さん

いらっしゃ〜い。アイスコーヒーをどうぞ。
ガム抜きにしてあります。

マシンは一定に動作する分、農作物であるコーヒーを淹れるためには毎日の調整は欠かせないはずです。

お姐さんとマスターのやり取りを書いているとどうしてもそれだけで長くなってしまって、きりをつけるタイミングが難しくて困ります。
Posted by 銕三郎 at 2008年04月14日 23:20
こんにちは〜。
朝 モカを淹れて飲んだので、ブレンドお願いします。

アイスコーヒーも自分で淹れるんですかぁ。
そうですよね。 (^_^;)
お店で飲むものだと思ってました。。。
やってみるかなぁぁ。

僕は真夏でも、8割方ホットコーヒー派ですね♪
Posted by アキラ at 2008年04月16日 10:56
★アキラ師匠

いらっしゃいませ。ブレンドですね。ミディアムローストのものでよかったですか?

>アイスコーヒーも自分で淹れるんですかぁ。
注湯コントロールの訓練にはもってこいですよ。安定して細く注ぎつづけるのは結構難しいんですよ。
でも、美味しい氷で一気に冷やしたアイスコーヒーはまた格別の味ですよ。お試しあれ。
Posted by 銕三郎 at 2008年04月16日 23:13
こんにちは。ご無沙汰続きですみません。
こんなところで言うのもアレですが、一周年おめでとうございます! 
継続して書き続けるのって大変ですよねー。わたしは長屋に忘れた頃に書くので精一杯(笑)。コンスタントに続けられる人は、やっぱり文章を書くのが億劫じゃないんでしょうね。今後もがんばってくださいね。

アイス・コーヒーはコーヒーとは別の飲み物で、お店でペットボトルで買うものだと思っていました(ブ○ンディとか)。今年は自分で淹れてみようかな。
Posted by にんじん at 2008年04月17日 14:50
★にんじん さん

いらっしゃいませ。浅めのローストのクリスタルマウンテンなんていかがでしょう。
お祝いありがとうございます。

>やっぱり文章を書くのが億劫じゃないんでしょうね。
今のところは楽しんで書いておりますので、まだまだ続けられます。

>アイス・コーヒーはコーヒーとは別の飲み物
淹れたてのアイスコーヒーはペットボトルや缶のコーヒーとはまったく別物ですよ。立ち上がる香りが違います。
Posted by 銕三郎 at 2008年04月17日 22:28
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。