2010年04月14日

皆様のおかげです3 〜書けなくなって半年〜

ご来店いただいている皆様、毎度ありがとうございます。

随分遅くなってしまいましたが・・・。
このたび、3月28日をもってこの「お店」も3年を経過しました。これまでの総記事数146(ってことは今年度は22本しか書いていない・・・)。のべ23,224人の方のご訪問、48,170ページのご閲覧をいただきました。が、訪問者数は増えながらページビューが大きく減ってしまい一日当たり64人/132頁になりました。更新が増えなければページを見て頂けないのは当然のことですね。
書けなくなった理由はひとえにリアルな身辺の環境の変化なんですが、長期休暇のお詫びでも書いたように「やめてしまう」という選択肢は頭にありませんでした。今後も更新間隔があき気味にはなってしまうでしょうが続けていくつもりですのでご期待ください。

今回は検索エンジンからお越しになられた際のキーワードのランキングを紹介しましょう。'09/04/01から'10/03/31の集計です。

 1位 マキネッタ   
 2位 珈琲専門店の芳香   
 3位 コーヒー 入れ方 フレンチプレス   
 4位 フレンチプレス コーヒー 入れ方   
 5位 コーヒー フレンチプレス   
 6位 フレンチプレス   
 7位 マキネッタ 使い方   
 8位 フレンチプレス 淹れ方   
 9位 コーヒー カッピング 手順   
10位 マキネッタ 淹れ方


マキネッタやフレンチプレスの美味しい淹れ方を探している方が多いようです。う〜ん、申し訳ないですね・・・。このお店では欲しかった直接的な情報は得られなかったことでしょうね。まあ、こんな中からでも何かを見つけていただければ幸いです。

11位以下でもその傾向はあまり変わりがありません。
アレンジ珈琲を探している方、焙煎方法を探す方、カッピングを知りたい方と珈琲に関する情報を探される方は藁にも縋る思いでこのお店に訪問されているようです。

今後もこういった方々にも満足していただけるような情報発信(講習会)は少ない情報量ではありますが続けていきたいと思います。
皆さんに少しでも美味しい珈琲を楽しんでいただけるよう、「珈琲大好き」と言って頂ける方を増やしていけるよう努力していきますので今後とも応援よろしくお願いいたします。

銕三郎


 



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2010年04月05日

◇一同心の訃報

ポカポカと暖かい日差しの公園で不思議な花を見ました。近くに居たお年寄りのカップルに花の名を教えていただきました。『まんさく』の花だそうです。
あの年代は花鳥風月と共に過ごしていらっしゃる。うらやましい限りです。公園を散歩するにも季節の花の名ぐらい覚えておかねば恥ずかしい気がしました。

そろそろ木々が芽吹いてくる季節となりました。
ところが、相次いで著名人の訃報が届いてきます。久しく聞かなかった名前もありますが、幼い頃から活躍を眼にしてきた役者さんが亡くなるのは特別悲しいものです。

マスターもお気に入りの方の訃報を耳にしたようで落ち込んでいるようです。

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「亡くなっちゃったね。」
「ああ・・・。」
「好きだったんでしょ?」
「『てなもんや三度傘』の頃から見ていた役者だからな。時代劇の重要な役には欠かせなくなっていた。出てるだけで画面が締まる。」
「私はあんまり時代劇とか見ないけど、『必殺!』シリーズぐらいは見たことがあるもの。残念よね。」
「今年の1月に復帰したときは喜んだんだけどな・・・。この間放送されたスペシャルが最後になっちまうのかな。」
「シリアスからコメディまで、現代劇にだって代表作があるんだもの、追悼放送だってあちこちで組まれるんじゃないの?」
「残念なんだよ。今のシリーズもそうだが、重みが出てきた今になってやっと出来る役が、あの人にしか出来ない老人が見られるかなと期待していたんだ。O滝のようではない新たな老人像をもっと見せてもらえると思っていた。いつも『あんな男』になりたいと思わせてくれていたんだ。」
「普通、憧れるんならアクション映画のヒーロー役だったり2枚目の役者さんじゃないの?」
「いいや。自分のことは判っていたからな・・・。頑張ったってM方やS原にはなれっこないし、義理人情の方面に就職する気はさらさらない。かといって自分の容姿は褒められたもんじゃない。3枚目を気取る勇気も器量も頭もない。」
「そっかぁ、マスター世代の普通のおじさんの理想像なのかぁ・・・。上司や部下なんかじゃなく自分がなりたい姿を映していたんだ。」
「老いてなお、自分の人生に胸を張って生きられる。衰えなど微塵も見せない。そんな姿を見続けたかった。」
「最後までかっこよかったよね。病から復帰して、TVシリーズのスペシャルを撮ったと思ったらあっけなく亡くなっちゃうなんて。遣り残していた気になっていたのかなのかなぁ。」
「でも死んじまったらカッコいいも何もないだろう。しかし、このところのアイドルや大物女優の孤独死にも驚いたが、そんなのは今回の比じゃなかったな。初めてTVニュースで見たときは番組の予告かと思ったぐらいだったからな。ネットのニュースサイトをいくつか廻ってやっと納得したよ。それでもなんだかその日1日何にも手に付かなかったなぁ。」
「マスターがパソコンを前にネットサーフィン?そんな事するようには見えてなかったなぁ。似合わな過ぎ!」
「俺をどんななんだと思っていたんだ。スポーツ新聞を片手にごろ寝しながらTVで競馬中継なんておじさんは最近貴重だぞ。インターネットに関してだってこの商売には不可欠なんだぞ。豆や砂糖の取引価格だけじゃない。生産地の動向だって気にしているんだ。ちなみにうちの店内はどの席でもフリーの無線LANが使えるようにはしてある。おやっ?怪訝そうな顔つきだな。この件は以前に説明しておいたと思ったが・・・?」
「えっと・・・、あれっ・・・?そんなことありましたっけ?あはは・・・覚えてませんでした・・・。」
「また常連にからかわれるネタが一つ増えたってことか。多少はまともになってきたと思ったのは俺の勘違いだったのかな。これはあいつと相談して減俸も考える必要がありそうだな。」
「それは・・・。あっ!そうやっていじるのだけは止めてくださいよぉ!」

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2009年12月31日

◇倉庫の肥

年の瀬も押し迫り、商店街では正月用品を売る胴間声が響き渡っている。
食品だけでなく松飾やしめ縄の屋台も出ているようだ。コート姿の奥さんがご主人たちを引き連れて買い物をしている姿が目に付く。

今年の営業は今日まで。
裏で倉庫整理のバイトをしていた若い常連客が気になるものをみつけたらしく、カウンター席に持ってきてマスターに声を掛ける。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「マスター、これなんですか?」
「あ〜?お前、触らなくてもいいと言ってあった場所まで動かしたのか?」
「う、うん。置き場所を整理していたら、あの場所の方が都合がよさそうな分量配分になっちゃったから、場所を少しだけ動かして見渡しがよくしようと思ったんだ。」
「そうか・・・。しょうがないな。まあ、本来あそこに有っちゃいけないものだからな。動かされても文句は言えんな。」
「き、危険物?」
「いや、俺の私物なんだ。店の営業に関わる物ならば問題ないが、家に置いておくことが出来なくなったものなんだ。息子たちが伝い歩きをするようになって手が触れる場所に設置したままでは危なくなったからな。」
「って言うと、上のお子さんが中学生だから開店当初から倉庫に入れっぱなしなんですか?」
「そうか、そういうことになるのか。」
「それで最初の質問なんですけど・・・。」
「俺のオーディオ機器だ。あそこに有るのはスピーカー4本とプリアンプ・パワーアンプ、ターンテーブルとレコードの山のはずだ。ちなみにお前が持ってきたのはパワーアンプだよ。」
「ううっ、僕には何のことやらさっぱりわかりません。何をするものですか?」
「お〜い、バイト終わったのか?ああっ、マスター。それどうしたんですか?懐かしいなぁ。」
「これに反応するなんてお前、歳ごまかしてないか?いい加減俺の世代でもクラシックな機器の部類に入るんだぞ。」
「昔叔父さんちに有ったんですよ。大きなスピーカーに繋いで結構な音量でジャズを聴いていたんです。」
「近くに愛好家がいたんだな。こいつを使っているってことはかなりのシステムだったんだな。」
「マスター、置いてけぼりにしないでくださいよ。お前もお前だ、突然割り込んできやがって。」
「そうか、お前この手のメカ物に弱かったな。これは25年ほど前に発売されたパワーアンプってもんだ。」
「そこまではマスターに聞いた。いったい何をするものかが判らないから聞こうとしていたんだ。」
「簡単に言うとプリアンプから出た電気信号を増幅してスピーカーに供給するための機器だ。」
「ぷり?アンプってギターとかで使うのは一つだぜ?」
「やってることは同じなんだがな。目的が違うのさ。あっちはスピーカーまで付いているし音を故意的に歪ませる事も前提にしているが、オーディオ用は歪まないのが原則だ。二つに分かれているのはそれぞれに必要とされる特性が違い、別にすることでそれぞれの機能向上が目指しやすいからさ。」
「こいつにはボリュームのつまみってついてないよ?」
「ああ、純粋に増幅だけをさせるために余計なノイズ発生源を省いてあるんだ。音量や音色の特性を調整するのはコントロールアンプがすることだからな。」
「?コントロール??」
「ああ、プリアンプは本来コントロールアンプって呼ばれている。ボリュームやセレクターがいっぱい付いた奴だ。」
「そういえば一緒に置いてあった。あれだけじゃスピーカーから音が鳴らせないってこと?」
「マスター、プリは何を?っていうよりなんで倉庫なんかに押し込めちゃっているんですか?もったいない。」
「伝い歩きを始めた息子が、丁度眼の高さにあったプリのボリュームをいじってな、ツイーターを飛ばしてくれたんだ。それも2度も・・・。」
「近所迷惑な・・・。置き場所を・・・ああ、そんな訳にはいかないんですね。」
「ああ、ブロックやらレンガやらの重量や配線の問題もあって・・・。そのうちスピーカーのコーンもやばいだろうってことになったし、店の開店で夜も昼も無くなったから封印することにしたんだ。」
「10年も放置されていたんだ・・・。駄目かもしれませんね。電気機器は通電しないと傷みが早いって言いますよ。」
「そうだな。この正月休みに点検してみるか。おい、倉庫内の新しい地図用意しておいてくれよ。」
「ちゃんとできてますよ。点検するときは教えてくださいね。どんな音がするのか聞かせてください。」
「そうだな。生きてればこの店を名曲喫茶にでもするか。」
「いまさらそんな後ろ向きな改装は止めてくださいね。」


 

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2009年12月10日

◇カード占い

暖かな日差しはあるのだが、空気は凍てついている。
北風が乾いた落ち葉を店の前に吹き寄せてくる。

高校生の常連の妹が中学の制服を着たままカウンターの隅に座って、おいてあったトランプを手に一心に繰り返している。
その真剣な表情に興味を持ったマスターがカウンター越しに声を掛ける。

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「おい、制服のままで大丈夫か?」
「大丈夫、先生が来たって言い訳は考えてあるわ。おにいが来れば問題なし!!」
「ずっと何をやっているんだ?」
「カードで恋占い、マスターも占ってあげようか?」
「中学生にそんなことをしてもらわんでもいいが・・・。さっきから繰り返し何度もやっているように見えたが、どうしたんだ?」
「えっと〜・・・、今日の帰りがけに、男の子に付き合って欲しいってコクられちゃったんですけど・・・。彼はほんとに私のことが好きなのかな?付き合うことに興味があっただけじゃないかな?なんて思い始めちゃって、これをやってみてるんですけど、いい結果には一度もなんないんです。」
「それで何回も繰り返していたんだな。ということはだ、結局お前は彼に告白されたことを喜んでいるんだろ?だったら相手の本気度なんてどうだっていいんじゃないか?」
「そうなんだけど・・・嬉しかったんだけど・・・。ここでいい結果が出れば一歩踏み出せるかなって・・・。」
「そんなもんなのか?でも、占いの結果なんかに振り回されていたんじゃいつまでも男を見る眼なんか成長しないぞ。今は自分はどうしたいのかをはっきりさせることの方が先だな。曖昧に相手を放置するのは勇気を振り絞って伝えてきた彼に対して失礼だろ?」
「そうね・・・。私の気持ちをちゃんと返さないといけないのね。ありがとうございます、マスター・・・。」
「恋占いの方法なんかより、先に進みたくない相手をかわすテクニックの方が役に立つからな。よーく常連のお姉さま方にその辺のことを聞いておくんだな。」
「マスターってば・・・。あれっ?このトランプ枚数が足らない?」
「ああ、お客の忘れ物だからな。舞い上がっちまっててそんなことにも気付いてなかったんだな。」
「なあんだ、どおりで出てこないはずよね、ハートのエース。祈るように何回もやっていたなんて馬鹿みたい。」
「カード占いなんてそんなもんだ。カードなんかに人の気持ちを左右されてたまるか。ほら、雪苺ラテだ。これでも飲んでじっくり返事でも考えるんだな。」
「ありがとう。温かくて甘酸っぱいいい香りね。」
「クリスマス・シーズンになれば苺が手に入るからな。こんな味を出せるのもこの時期だけだ。それはそうと相手の男はどんな奴だ?兄ちゃんの連れの2枚目に惹かれてここについてくるようになったお前のことだ、喜んでるところを見るとやっぱりカッコいいんだろ?」
「ううん、顔は普通。背もそんなに高くないし・・・、でも一緒に班活動していると楽しいの。」
「ふうん、そんなもんか。俺はてっきり・・・。まあしばらくは兄ちゃんには内緒にしておいてやるから、付き合うことになったら一緒においで。お祝いに美味しいものを出してやるよ。」

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posted by 銕三郎 at 00:00| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 珈琲症候群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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